撮影/中村介架
# 経営者

東京海上HD永野毅会長「成功する人は『幸運思考』を持っている」

決してあきらめない
新型コロナウイルスを契機に一変してしまった社会で、企業のトップたちはどのような姿勢で経営に臨むべきなのか。時代の転換点を経て、企業をどのように導いていくのか。1000人の経営者に密着したジャーナリスト・大塚英樹氏の最新刊『成長する企業トップの成功戦略を解明する ニューノーマル時代を乗り切る経営』(講談社ビーシー/講談社)は、そんな問いかけへの「答え」が見える一冊だ。

困難な局面に立ち向かってきた17人の企業トップが登場。その経営姿勢、人生哲学から学ぶものは大きい。「成功する経営者の条件は、1に胆力、2に胆力である」(本書より)。本書から7人の章を一部抜粋して短期連載でお届けする。

第1回は「永野毅・東京海上ホールディングス会長」

決してあきらめない粘り強さで「超保険」を開発

私は成功する企業経営者には「幸運思考」があると考えている。「運」というのは、「私は運が良い」と思う人につき、「運が悪い」と思う人にはつかないようだ。現に、成功する経営者の多くが「自分は運に恵まれた」と語っている。

彼らに共通するのは、逆境でも「運が良い」と思えることだ。人は誰しも同じような体験をし、同じような経験をする。それに対して「運が良かった」と思えるような人が成功している。どんな辛い経験をも、学習であり、自己鍛錬であり、試練だと思える。そんな「幸運思考」の人が「成功者」になっているようだ。

永野毅・東京海上ホールディングス会長 撮影/中村介架

2019年6月、東京海上ホールディングス社長から会長に就任した永野毅も、「自分は運に恵まれている」と明言する。

慶應義塾大学商学部を卒業し、損保最大手の東京海上に入社できたことに始まり、東京営業第三部を振り出しに法人向け保険営業、米ロスアンゼルス駐在、商品・サービス開発部長などを歴任し、東京海上の経営を任されたことに至るまでずっと運が良かったと考えている。

 

永野が、何事もあきらめないのも、粘り強いのも、学び心が旺盛なのも、基本的に「幸運思考」であるからだ。とりわけ、重要なのは、あきらめないことだ。途中でうまくいかず、挫折感に苛まれても、くじけないで、やり続けることができるかどうか。これが成功と失敗の分かれ目となる。