2020.12.02

日本人が知らない、居心地よさだけでないスターバックス本当の先進性

今度こそ日本にESG思考は根付くか1
夫馬 賢治 プロフィール

環境を考慮したら利益が減る=「オールド資本主義」

左下の「オールド資本主義」は、すべての経済認識の出発点とも言える考え方だ。オールド資本主義の人たちは、企業が環境・社会への影響を考慮すると利益が減るので、環境・社会への影響を考慮すべきではないと考える。こうシンプルに言うと、非常に「冷たい人」のように思えるが、我々の頭の中には、この考え方がつねにある。

たとえば、今喉が渇いているのでコンビニエンスストアで水を買おうとしているとする。Aの水は普通の水で120円。一方、Bの水は、味はAと同じなのだが、1本買うと20円分を植林活動に寄付するというキャンペーンが付いていて値段は140円。さあ、どちらの水を手に取るだろうか。こういう問いを出すと、人は頭で考えると良い格好をしようとするので悩むかもしれないが、普通に今コンビニにいたら、シンプルに値段の安いほうを手に取るだろう。

 

オールド資本主義的な考え方は、企業の現場では日常茶飯事だ。「福利厚生」「クラブ活動」「NGOへの寄付」「エコ商品」などなど、環境や社会への影響に配慮した活動をしようと思ったら、いくらでも実施するネタはある。ではそれを上司や経営会議に起案して決裁を取ろうと思ったら、「なぜ当社がそれをやる必要があるのか」「それをやるメリットは何か」と当然のように問われ、多くの案件が却下される。メリットがなければ、単に利益を減らす行為だと思われるからだ。

これは金融の世界でも同じだ。たとえば、会社の口座である投資信託を100万円分購入し、後日相場を見たら10万円分利益が出そうなのでそのタイミングで売ったとする。すると証券会社から「あなたのためを思って、利益のうちの2万円分を動物愛護団体に寄付しておきましたよ。なので8万円だけお返しします」と言われたら腹が立つだろう。勝手なことをするなと思う人は少なくないに違いない。当然、このようなことをしたら違法行為になる。

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