2020.12.02

日本人が知らない、居心地よさだけでないスターバックス本当の先進性

今度こそ日本にESG思考は根付くか1
夫馬 賢治 プロフィール

スターバックスは、シアトルにある本社が作成した年次報告書の中で、次のようなことを言っている。

「今日、市場の中でのスターバックスのブランド力のおかげで、当社は範を以てリーダーシップを発揮する機会を得ている。当社の責任は、事業パートナー、消費者、サプライヤー、株主、地域社会など、スターバックスのステークホルダー(利害関係者)に対して説明責任を果たし、事業のやり方やパフォーマンスについてオープンに発信・対話していくことから始まる」
「当初での進化は、環境分野で責任ある方針や社内規定を策定することを担う環境問題チームを発足したことにある。環境問題が新たに浮かび上がってくれば、このチームが現状を分析し、改善のための機会を探していく」

 

これを読んで皆さんは何を思うだろうか。環境問題に関する内容があることから、プラスチックストローを廃止するスターバックスが言いそうなことだと思ったかもしれない。また、最近メディアで「ステークホルダー型資本主義」という単語が登場し始めていることから、いま流行りの言葉が並んでいると感じたかもしれない。

しかし、私がここで伝えたいのは、この内容が記載されている年次報告書がいつのものかということだ。このスターバックスの年次報告書は、2019年度や2018年度のものではない。私がこの引用部分を引っ張ってきたのは、スターバックスの2001年度の年次報告書で、今から約20年も前のものだ。

3年でCO2排出量25%削減、50%を再生エネに

では、次の内容は、同じくスターバックスのどの年の年次報告書のものだろうか。

「スターバックスとCI(著者注:国際環境NGOコンサーベイション・インターナショナルのこと)は、今後の気候変動に対応し、当社の責任あるコーヒー育成手法であるC.A.F.E.プラクティスのインパクトを測定することで協働するため、5年間のパートナーシップを更新した。スターバックスは今後3年間で750万ドルを提供することにコミットし、その半額以上をメキシコとインドネシアでの現場プロジェクトに投ずる。我々の計画は、そこで得た知見を、アジア太平洋、アフリカ、アラビア、中南米の他のコーヒー農家でも実施支援していくことにある。特に、C.A.F.E.プラクティスに参加する農家を拡大し、当社のガイドラインを通じて、農家の事業支援、世界の動植物の種のための重要な生息地の保護、潜在的な気候変動からの悪影響に対する農家の対応支援に取り組む」

この中に登場するC.A.F.E.プラクティスとは、スターバックス独自の自主的な取り組みで、環境と農家の所得に十分に配慮してコーヒー豆を調達するという、いわば「フェアトレード認証」と「エコ認証」を同時に満たすような高い水準の調達基準のことを指す。この年次報告書が発表された年には、スターバックスは創業以来初めて、調達したコーヒー豆全体に占めるC.A.F.E.プラクティスでの調達割合について目標を定めた。その成果は、定めた目標65%に対し実績は77%と、目標を大幅に上回っていた。

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