住まいは、一生に一度かもしれない大きな買い物だ。コロナ禍で先行き不透明な今なら、どんな住まいを買うか迷うのは当然だろう。その中でも「マンションと一戸建てどちらにするか」は、議論が分かれるところだ。
実はいま、戸建て派が大きく増加している。2020年5月にSUUMOが行った「住宅購入・建築検討者調査(首都圏)」によれば、一戸建て派(ぜったい一戸建て、どちらかといえば一戸建て)が前回(2019年12月)に比べ56%→63%と7ポイントアップ。
一方で、マンション派(ぜったいマンション、どちらかといえばマンション)は、32%→22%と10ポイントもダウンしている。
一戸建ては売れ行きも好調だ。公益財団法人東日本不動産流通機構発表の新築戸建住宅レポートによれば、2020年6月以降の首都圏新築戸建住宅の成約件数は、前年同月比で5カ月連続二桁のプラス。2020年の10月度の成約件数は、昨年同月比42%の大幅増だ。
一戸建てに注目が集まっているのには理由がある。コロナ禍でテレワークが進み仕事用の個室の需要が高まった。東京都下の大規模一戸建て住宅分譲地の中には、東京23区内からの申込割合が前年比で3倍近くに伸びたところもある。
新築マンションの売れ行きも7月以降は急回復しているが、用地取得難や施工費の高止まりで近年の供給戸数は低調に推移している。
こうした状況を受け、一戸建て優位を謳うメディアや識者の論調が目立つようになってきた。しかし、本当にそうだろうか。
筆者は、一戸建て・マンションともに暮らした経験があるがどちらも人生を豊かにする魅力がある。
不動産コンサルタント&ファイナンシャルプランナーとして、住まいを選ぶ上で重要だと考える7つの項目【1.価格、2.維持・管理、3.暮らしの自由度、4.住み替え、5.災害リスク、6.耐久性、7.更新性】について、マンションと一戸建てを比較し検証してみたい。