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アメリカの石油を支配したロックフェラーとスタンダード・オイルの戦略

科学 今日はこんな日

"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。

アメリカの石油産業を支配した大富豪

1870年の今日(1月10日)、アメリカの石油会社スタンダード・オイル(Standard Oil)が設立されました。

 

アメリカ・ニューヨーク州の大家族に生まれたジョン・ロックフェラー(John Rockefeller、1839-1937)は、20歳で今でいう投資会社を設立し、オハイオ州にある製油所への投資をはじめました。

19世紀半ばの当時、石油産業は黎明期にあり、南北戦争の終戦で西武開発への熱が再び高まったことで、鯨油に代わる安価な燃料が求められていました。

ロックフェラーは石油が湧き出る油井ではなく、石油を精製するための工場を抑えることで、アメリカ産の石油が市場に出るまでに必ず自社の手が通るシステムを作り出しました。

1870年に創業されたスタンダード・オイルは、これまでに持っていた多くの製油所に加え、さらに多くの製油所を買収によって獲得しました。その石油精製技術を生かしてタールやワセリン、チューインガムの原料に至るまでを製造し、創業10年でアメリカの石油の9割を精製すると言われるまでに成長しました。

このようにして統合を進め「ビジネス・トラスト」と呼ばれる巨大な企業の集合体となったスタンダード・オイルでしたが、1890年に成立したシャーマン法によってトラスト業態が禁止されたこともあり、勢いに陰りがみられるようになりました。

悪名高い独占的手法に対する激しい批判もあり、1911年、スタンダード・オイルは解体命令を下され、30以上の子会社に分割されることとなりました。

ロックフェラーはアメリカのGDPの1%とも言われる空前絶後の富を蓄財し、晩年には慈善事業家として活動するようになりました。1913年に設立されたロックフェラー財団は今でも世界最大級の慈善団体となっています。大正時代に日本を襲った関東大震災に際しては、焼け落ちた東京大学図書館の再建のため、ロックフェラーの息子が巨額の寄付を行いました。

晩年のロックフェラーと息子 Photo by Getty Images