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日本製世界No.1スパコン「富岳」が2期連続四冠を達成できた理由

2位に大差をつけての断トツ1位

先日発表されたスパコンの世界ランキングで、日本の「富岳」が2期連続で四冠を獲得した。

中でも基本的な計算速度を競う「TOP500」では442ペタ・フロップス(1秒間に44.2京回の浮動小数点演算)を記録し、今年6月に自らつけた世界記録416ペタ・フロップスを更新した。最新の世界記録は、2位にランクされた米サミット(149ペタ・フロップス)の約3倍に当たるスピードだ。

他にもアプリケーションの実行性能を測定する「HPCG」、AI(人工知能)処理能力の目安となる「HPL-AI」、さらにビッグデータやソーシャル・メディア等のグラフ解析能力を測る「GRAPH500」でも、富岳は各々2位に3~5倍もの大差をつけて断トツの1位となった。

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米中のハイテク覇権争いも一因

富岳の圧倒的な強さには幾つかの側面がある。一つは外的要因、つまり米国や中国による次世代機の開発が滞っていることで、相対的に富岳の強さが浮き上がって見える、あるいは維持されているということだ。

米中両国は今、「1000ペタ」に該当する「エクサ」スケールの次世代スパコンを開発中だが、いずれも難航している模様だ。その主な理由は、米中間の貿易規制や技術覇権争いにある。

エクサ・フロップス、つまり「1秒間に100京回」もの浮動小数点演算(科学技術計算)をこなすスパコンを実現するには、基本的なアーキテクチャ(設計仕様)の革新と同時に、超高速プロセッサ(半導体)を実装するための製造技術が不可欠となる。

今、この分野で世界最先端を走っているのが台湾のファウンドリ「TSMC」で、ここは5~7ナノ・メートルのプロセス・ルール(最少加工寸法)でCPUなど半導体を製造することができる(ファウンドリとは半導体の開発は行わず、その製造に特化したメーカー)。

 

富岳を開発した理研・富士通の共同チームも、これに搭載されたCPU「A64FX」の製造はTSMCに委託した。