「陰謀論信奉集団」Qアノン、ついにアメリカ議会の議席を獲得…!

トランプ主義の不気味な拡散は続く
中岡 望 プロフィール

共和党に、そして議会に足場を作った

QAnonは、世界がリベラル派の陰謀組織である「Deep State(影の政府)」に支配されていると主張するグループである。特定の組織は持たないが、SNSを通してコミュニケーションを図り、トランプ大統領を支持し、Deep Stateに対する反革命を主張する集団である。

メンバーの間で暗号を使ってコミュニケーションを図り、過激な主張を展開していた。だが今年の夏ころから公の場に姿を現すようになった。アメリカのメディアは、「QAnonが政治の舞台に登場」と一斉に報じた。中には「QAnonが政治の主流派に」と書いたメディアもあった。それが実現のものになりつつあるのだろうか。

投票日前から、QAnonの行動は、ぱったりと止まっていた。FacebookなどがQAnonの書き込みを制限したことが響いたのかもしれないが、不気味な沈黙であった。そしてQAnon支持者の候補者2名が連邦下院議員選挙で当選したという情報が入ってきた。

「Roll Call」の記事は「QAnonが議会に向かう。根拠のない陰謀説を信じるトランプ支持者のマージョリー・テイラー・グリーンがジョージア州の連邦下院選挙で勝利した。そしてローレン・ボーバートもコロラド州で連邦下院議員の勝利を宣言した」と書いている。

さらに「これらの勝利は、Deep Stateがトランプ大統領の転覆を図り、リベラル派が子供を誘拐している、という様々な根拠ない主張を、公然と支持する共和党員による最初の勝利である。彼らは『Qに関心を抱く』共和党議員の会議のホストになるだろう」と書いている。

さらに「グリーンの勝利は驚きではない。彼女は強敵のいないジョージア州第14選挙区から立候補し、APが選挙当日の午後9時16分に勝利を報道したとき、74.8%の票を獲得していた」と伝えている。同選挙区で立候補したのは、グリーン候補と民主党のケヴィン・ヴァン・アスダル候補の2人である。グリーン候補の圧勝である。ちなみに得票数はグリーン候補の22万7364票に対して、アズダル候補はわずか7万6539票であった。

グリーン候補は、1974年生まれの46歳。建設会社の経営者である。ジョージア大学を卒業しているが、ジョージア州以外に住んだことはないローカルな人物である。

2017年にSNSにビデオをアップし、「Qは愛国者だ。私たちは、それを確信している。悪魔を崇拝する国際的な秘密結社を根こそぎする千載一遇のチャンスだ。私は、トランプ大統領がそれを実現すると信じている」と語るなど、熱狂的なQAnon信奉者である。

 

同候補が共和党予備選挙で勝利したとき、トランプ大統領は彼女を「共和党の将来の星」と絶賛している。グリーンは、人種差別主義者、反ユダヤ主義者、反イスラム主義者である。

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