ALS(筋萎縮性側索硬化症)を検索すると「感覚があるままに体が動かなくなる病気」という説明が多くあります。もう少し詳しい記事を探すと「筋肉が動かなくなってしまう」という説明がなされています。さらに「現在、効果の認定されている治療法が無い」と言われていることでも知られています。筋肉の治療法はないことをお話した前回に引き続き、体重減少が敵であると言われているALSの食生活やそれにまつわる考え方について、私の例をお話したいと思います。 

先日公開したアニメ映画『魔女見習いを探して』。これは1999年から4年間放送された「おジャ魔女ドレミ」シリーズ20周年記念作品だ。おジャ魔女ドレミの声優陣はそのままに、森川葵さん、松井玲奈さん、ももクロの百田夏奈子さん、三浦翔平さんといった豪華な俳優陣が声優に名を連ねている。そして、当時のアニメ放送ではあいこパパを演じていた津久井教生さんも、映画にも出演している。ニャンちゅうとはまた違った津久井さんの声を楽しむことができるのだ。そういう新作映画出演の話や実際の声を聴く限り、この声の人がALSという病気に罹患しているとは思えない。

津久井さんが異変を感じたのは2019年3月のこと。突然歩きにくさを感じ、半年の検査を経て、9月にALSであることがわかったのだ。10月に公表し、現在では要介護4となったことはブログにも綴っている。その率直な想いを伝えている連載「ALSと生きる」、今回はお酒が大好きな津久井さんが今どのような食生活を送っているのかお伝えする。
2020年の「ニャンちゅう」チームの皆さん。左から比嘉久美子さん、津久井さん、鎮西寿々歌さん 写真提供/津久井教生
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検査前から言われた事

「そりゃ、飲み過ぎは駄目ですよ、でもほどほどであれば我慢をすることはありません」
これは検査前からALS罹患後にも医療関係者の方より何度か言われてきた、「お酒に関するアドバイス」です。そして付け加えてお酒に関しての質問をするとだいたい、「出来れば、この機会に止められるような方向にいければ良いですね」切り返されました。

私はお酒が大好きで、足の異常を感じてからも毎晩のように発泡酒の350ml缶を最低1缶飲んでいました。晩酌は習慣のようになっていて、そんなに深酒まではいかないものの、生活の一部になっていたといっても過言ではありません。ドンドン足が動かなくなるのを感じた時に「お酒が要因の1つではないか」と自ら疑ってしまったくらいです。

毎晩の「プシュッ」が大好き。これが悪なのか…と思ったという 写真提供/津久井教生

しかし最初の整形外科の受診の時、飲んでいる量を聞いた主治医は冒頭のように「大きな関係性はない」と言ってきました。その後も関わった医師全員に、このお酒に関しての質問をしてきましたが、答えはほぼ一緒でしたし、即答に近い形で返ってきた記憶があります。

つまり、「お酒をやめる効果」よりも「お酒を我慢することが強いストレスになる」のであれば、そちらの方がマイナスと判断されたのではないかと思います。特にALSと言う難病は、ストレスを感じるとスイッチが発動する気がするのです。

医療関係の方たちは「駄目とは言わず、無理な事はしない方向にもっていきましょう」というアドバイスが多かったのです。