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医薬品の「協和キリン」が世界的に成功を収められるワケ

宮本社長にインタビュー

キリンホールディングスの子会社で医療用医薬品を扱う協和キリンを取材した。がん、免疫・アレルギー、中枢神経、腎の4カテゴリーに強く、近年は抗がん剤「ポテリジオ」、骨軟化症などの治療薬「クリースビータ」を始めとする様々な薬を開発。海外でも認められ、売上高、利益ともに絶好調だ。苦学して東京大学大学院を修了し、半生を薬の研究に捧げてきた宮本昌志社長(61歳)に話を聞いた。

ヒーローもヒロインも生まれないけれど

研究開発に携わってきたなかで思い出深い瞬間があります。我々の薬で治療を受けた患者さんと話した時のことです。

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当社が治療薬を開発した遺伝病の患者さんが参加するパーティに出席したら、中年の女性が私を見つけ「本当にありがとう!」と、話しかけて下さり、長い闘病の苦しさを語り始めました。

聞けば彼女のお母さんと娘さんも同じ病気で「娘を産んだ時、遺伝することが怖かった。将来生まれるかもしれない孫に対しても、罪を背負っている気がしていた。でも今は、この薬のおかげで不安や罪の意識から解放された」と言うのです。

 

その後、彼女や彼女のお嬢さんを含む同じ病気の患者さんたちと記念写真を撮りました。私はその写真の素晴らしい笑顔が忘れられません。

製薬は気の長いビジネスです。基礎研究を行い、試験管の中に薬になりそうな物質を見つけると、様々な実験を行い、「実際の患者さんで試験をしてもいいですか?」と承認を得ます。