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うちは大丈夫…、安心していた兄妹の仲を修復不可能にした「相続トラブル」の悲劇

「遺言書」を必ずつくっておこう
親が認知症になったり、亡くなったりしたとき悩まないために。自分が死んだあと、子どもたちが揉めないために……。相続の問題は、元気なうちに考えておきたいもの。これまで数々の相続トラブルを解決してきた司法書士で、著書『相続は遺言書で9割決まる!』がある福田亮氏は、「遺言書」を作成しておくことがいかに重要かを力説する。「うちは大丈夫」という油断が、修復不可能なトラブルに発展した実例とともに、その根拠を解説してもらった。

実際はかなりの確率で揉める!

「うちは大丈夫です」の理由として最もよく言われるのが、「うちは揉めないから」です。

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残念ながら、これには全く根拠がありません。「揉めない」と思っているのは当人だけ。実際には、かなりの高確率で揉めてしまいます。

それまでは本当に仲のよい家族であったとしても、相続が起こった時点で心変わりするなどということはいくらでも起こります。相続人の生活状況にもよりますし、相続人の配偶者が入れ知恵するなど、思いもよらぬことが起こるのです。

遺産分割協議で揉めた場合、法的解決手段を取るなら、まずは調停です。遺産分割調停を行い、そこで話がまとまらなければ、裁判所での審判に移ります(調停や審判は裁判とは違い、非公開で行われます)。

審判手続では、関係人のさまざまな話を聞きとった上で、裁判官が審判を下します。誤解を恐れずに言えば、これはもう「えいやっ」という感じです。話し合いでは決まらないので、裁判官が法律に従って一方的に解決方法を決めてしまいます。

 

遺産分割調停が終了するまでの平均期間はだいたい1年弱。その後、審判手続まで進むとさらに1年、長引く場合には3年以上かかることもあります。