驚きの性能「M1版MacBook Pro」9つの快挙と2つの不満

買うべき人、待つべき人の結論も出た
西田 宗千佳 プロフィール

「Appleシリコン最適化」アプリの実力

もちろん、Appleシリコンに最適化したアプリなら、もっと高速になる。

「翻訳」にかかる負荷が減る分、1〜2割高速になるようだ。M1版Macの動作全体がキビキビしているのは、OSを含めたほとんどの部分が最適化されている影響が大きそうだ。

さらに、「M1に搭載されている特殊な要素」がプラスに働く部分もある。

それが特に効いてくるのが「ビデオ会議」だ。

以下は、ビデオ会議ツール「mmhmm」のインテル版とAppleシリコン最適化版を比較したものだ。mmhmmは、Zoomなどのビデオ会議サービスと連携し、バーチャル背景やプレゼンへの人物の合成など、「インタラクティブな会議」を実現するアプリで、筆者も日々使用している。

【写真】11月12日(米国時間)に正式版がリリース11月12日(米国時間)に正式版がリリースされたばかりのビデオプレゼンソフト「mmhmm」。M1版は写りが良くなり、指や体をちゃんと「合成」できている。インテル版にない機能「ビッグハンドモード」も追加された
【写真】mmhmmのインテル版は動きに追従できていない?mmhmmのインテル版。よく見ると、指のあいだがちゃんと合成できていない。動きに追従できていないのだ

機械学習処理を高速化するしくみ

次の動画を見ていただくと、もっとわかりやすいかもしれない。

インテル版では体や指のシルエットの「抜き」が甘く、動作への追従も遅い。だが、M1版Macで動かすと、そのあたりがかなり変わっているのがわかる。

しかも、指のジェスチャーを認識して画像を重ねる「ビッグハンドモード」も追加された。なかなか面白いこの機能は、Appleシリコン最適化版でしか使えない。

その理由は、M1に搭載されている「Neural Engine」にある。Neural Engineは、いわゆる機械学習処理を高速化する機構で、この種の処理がとても得意だ。

iPhoneにも搭載されていて、音声認識やカメラの画質向上に使われているが、それが「Macのアプリ」でも使えるようになったのは大きい。

さらによく見ると、カメラの画質も向上している。ビデオ会議中に顔が暗く、ノイズが多いかたちで映ることがあるが、同じMacでも、M1版Macではこの点が大きく改善される。

こうした変化は、単に処理速度を向上させるだけでなく、さらに「新たな可能性」を生み出す。