驚きの性能「M1版MacBook Pro」9つの快挙と2つの不満

買うべき人、待つべき人の結論も出た
西田 宗千佳 プロフィール

「インテル互換機能」の完成度

ここで重要なポイントは、「Premiere Rush」と「Rise of the Tomb Raider」の例は、いずれも「インテル版のアプリをそのまま動かした場合」である、ということだ。

今回のように、プロセッサーが変わることの最大のリスクは、「今まで使っていたアプリが動かなくなる」ことだ。

アップルはもちろんそのことを熟知しており、インテル版のMac用アプリをARMアーキテクチャ採用のM1版Macで動かす「Rosetta 2」というしくみを採用している。これは、アプリの初回起動時に「CPU命令の書き換え」をおこない、2回目以降の起動時には「M1向けのアプリを使っているように見せる」機能だ。

いわば「翻訳」機能であり、前述の両アプリも、これによって動いている。

過去に出たすべての「プロセッサーアーキテクチャが異なるPCやMac」では、仮に互換機能があっても、その精度は100%ではなかった。Rosetta 2も100%ではない。

しかし、「かなり完璧に近い動作をしている」ことは間違いなさそうだ。

用意周到なアップル

実際にいろいろなアプリを試したが、M1版でまったく動かなかったものは非常に少ない。Googleドライブの同期アプリや、写真管理ソフト「Adobe Lightroom」などに問題があったものの、それらはある意味で例外的である。

ゲームなど、GPUに特化した部分の多いアプリの場合、GPU性能とその最適化がより進んでいるので、インテル版よりもずっと性能が良くなる、という現象が生まれている。

もちろん、個々のユーザーごとに自分の使うアプリの動作状況がどうなっているかをチェックする必要はあるが、一般的なPCの用途であれば、特に問題を感じることはないだろう。

プロセッサーアーキテクチャの変更において、これは従来にない「快挙」といえる。アップルが相当慎重に準備をしてきたことがうかがえる結果だ。