食のスペシャリスト&グルメに精通する識者で構成される「FRaU Foodies」が、今イチオシの料理やスイーツなどをお届けします。今回は、これまでに10000個以上のパンを食べてきたモデルのパン野ゆりさん。一食として成立する満足度の高いカレーパンをオススメいただきました!
カレーだけで27種類もある!
池尻大橋で長く愛されるビストロ
国内外で約1000軒のパン屋さんを訪れる中で、様々なカレーパンを食べてきたパン野さんが太鼓判を押すのは、ビストロで提供するカレーパン。
そのビストロとは、国道246線沿い、東京・三宿の交差点すぐの場所にある「ビストロ喜楽亭」。“つぼ焼きかれーのお店”として、30年以上愛されています。パン野さんは、そのカレーの大ファンだと言います。
「しっかりと辛さがありつつ、スパイスの旨味や奥行きを感じるカレーは美味美味美味!! ボリュームも100点満点。カレー屋さんにありがちな『ルウが少なくてご飯が残っちゃうなぁ……』みたいなことは一切ありません。むしろ、ご飯大盛りでもルウが余るほど。太っ腹! そんな気前の良さも大好きです」
ルウは、牛骨と香味野菜を3日間じっくり煮詰めて作るブイヨンに、カルダモン・コリアンダー・グローブなど約10種類のスパイスを合わせ、ブイヨンでのばしたカレー粉と小麦粉を加えてひと晩寝かしたもの。
直火できる特殊な耐熱容器「つぼ焼き」で提供されます。注文後つぼの中でひとつ一つ丁寧に作るため、各カレーでルウに微妙な違いを出せるのが強み。サラッとすることも、ドロッとすることも可能です。その自由さからカレーの種類は全部で27あります(うちひとつは季節のオススメ)。
辛さも甘口から激辛の5段階が選べ、こちらもつぼの中でスパイスや唐辛子の量で調整します。
例えば、女性に人気の「地中海かれー」は、タコ、エビ、イカ、ムール貝を白ワインとバターでオーブンにて蒸し焼きし、固くならないよう煮ます。その煮汁をルウに加えるのが、ほかのカレーとの大きな違い。
ぐつぐつと湯気を立ててやってくるカレーは、豊かなブイヨンの香りが鼻孔をくすぐり、口に含めばサラッとした舌触りでシーフードの旨みがふわ〜っと広がります。スパイスとブイヨンのコクが後引く余韻も素晴らしく、もっと食べたい!とスプーンを持つ手をグイグイ口に運ばせます。
魚介もそれぞれがプリッとしていて食べ応えがあり、食感も楽しいです。