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興収782億円の映画も…『鬼滅の刃』も及ばない中国の「デカすぎるアニメ市場」

「映画のチャイナリスク」も存在する
井中 カエル プロフィール

興行収入782億円!?

主演を務める花澤香菜は日本でもトップクラスの人気を誇るが、中国でも年越し番組に登場するなど海を超えて人気が高い。物語で重要な役割を果たすムゲン役の宮野真守も同様だ。そう考えると、吹き替え版が逆輸入のような形で再ヒットする可能性もあるのではないだろうか。

日本のアニメファンが本作を鑑賞した際に、多くの日本アニメのエッセンスがあることに気がつくだろう。スタジオジブリ作品のような自然描写、『NARUTO』 に代表されるアクション作画の迫力、可愛らしいキャラクターの仕草なども日本のアニメに近い印象だ。それらがモノマネの域を超えて、それぞれオリジナルの魅力を放っているからこそ、本作は高い評価を獲得した。

 

アニメーションとアニメは世界的にも違うものとして認識されやすい。“アニメ”という呼称は日本オリジナルの造語であり、世界でも日本の作品を指すことが多い。

ディズニーなどのアメリカの作品や、ヨーロッパの作品は“アニメーション”であるが、『羅小黒戦記』などの中国の作品はむしろ“アニメ”という呼称の方が印象として近いのではないだろうか。それだけ、日本の作品の魅力を取り込みながらも、独自の文化の味わいを打ち出している。

中国アニメーション作品は日本ではなかなか入ってくる機会は少ないが、中国国内の盛り上がりは年々増している。『Ne Zha』は2019年に中国国内で50億元(約782億円)以上を記録している。

昨年9月公開の『Ne Zha之魔童降世』ポスター
 

日本では『劇場版「鬼滅の刃」 無限列車編』が歴代興行収入1位を狙うレベルのヒットを記録しているが、仮に400億円稼いでも、コロナ以前とはいえ『Ne Zha』とはさらに倍近い差があると考えると、その規模の違いを思い知らされる。

他作品に目を向けても、Netflixで配信されている『紅き大魚の伝説 』では華麗な手書き表現に圧倒された。またCGアニメーションの『白蛇 縁起』では日本の萌えを踏襲したようなキャラクターも登場するなど、オタク心をくすぐられた。

特にCGの分野に関してはそのクオリティは日本を超え、アメリカにも迫る勢いであることは疑いようがない。年々、クオリティの面でもレベルアップしているのだ。