日経平均はこのまま上がり続けるのか? プロが教える「年末相場」のシナリオ

下落の材料は見当たらない
小髙 貴久 プロフィール

米国上院の選挙結果が決定的に重要

他方、2021年10月の衆議院議員の任期満了を前に、総選挙実施の思惑もあろうが、少なくとも菅政権が総選挙に打って出るには、政権の成果や選挙の名目が必要であろう。

2020年末までに成長戦略の中間取りまとめなどが行われることや、来年度の予算案の閣議決定は年末までかかることを踏まえれば、総選挙は2021年入り後となる可能性が高い。

欧州では2020年末までに英国のEU離脱に決着をつける必要がある。ただし、2016年の英国国民投票から4年超が経過している。合意なき離脱になる場合、英国周辺では多少の影響はあるだろうが、企業や国際社会は活動拠点の移転など対応を講じており、現時点でショック対応ができていないということはさすがに無いだろう。

 

そうなると、2020年年内の「定期的ではない(2)その他のイベント」で国際経済や国内外の株式市場で最も注目されるのは、世界一の経済規模を誇り、国際経済への影響の大きい、米国の政治情勢といえよう。ポイントは景気対策と政権移行だ。

世界で最も多くの感染者を出している米国は、これまで従業員の給与や失業保険など多岐にわたり3.2兆ドル(約340兆円)にも上る経済対策を実施してきたが、夏場以降次々に期限切れを迎えている。

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大統領・議会選挙を前に、民主党・共和党双方がお互い譲らず、経済対策は合意されずにきた。規模の大きな経済対策の合意が発表されれば、株式市場の追い風になるだろう。その際、鍵を握るのは上院の議会情勢だ。

先の大統領選挙と同時に行われた議会選挙では、下院は民主党が過半数を握ったものの、上院は全100議席中、共和党が50議席、民主党が48議席を確保し、残る南部ジョージア州の2議席は2021年1月5日に行われる決選投票に持ち越された。

共和党、民主党両党が50議席で同数になると、上院議長を務めることになる民主党の副大統領が1票投じる権利を持つことになる。その場合、民主党が大統領、上院、下院の3つで優位に政権運営を行うことができる、いわゆる「トリプル・ブルー」になる。共和党は是が非でも決選投票の2議席を落とすことはできない。

そのため、ある意味「選挙は終わっていない」状態にある。年明けまで、民主党・共和党の両党合意の下における景気対策は決定されない可能性がある。現時点で、ジョージア州の決選投票の2議席は、共和党が優勢との世論調査が多い。