日経平均はこのまま上がり続けるのか? プロが教える「年末相場」のシナリオ

下落の材料は見当たらない
小髙 貴久 プロフィール

注目すべきは政治動向か

国内外では、様々な政治イベントがあろうが、株式市場にとって重要な視点は「企業業績に影響を与え得る材料」かどうかである。地政学的リスクについては紛争や衝突が突然生じる可能性があるものの、事前に予想することはできない。

ただし、日米欧などの「主要国間の国際秩序」を壊す、あるいは原油価格の急騰につながるようなものでない限り、検討対象から外して良いだろう。

原油価格に関係するものとしては、11月30日~12月1日にかけて、OPEC(石油輸出国機構)加盟国や関係国の会合が開かれる。現在、世界のエネルギー需要が低下する中で、OPECに加盟する産油国と、ロシアなどOPEC非加盟国を含む「OPECプラス」は、日量770万バレルの減産を行っている。

この減産量は世界の生産量の8%、日本の消費量の約2倍に当たり、言い換えるとその分増産余地がある。また、原油価格が上がれば、米国のシェールオイルの増産も見込まれる。余程のことが無い限り、原油価格の上昇は起きにくいだろう。

そうすると、主要国の政治動向がポイントとなろう。日本は12月5日まで臨時国会が開かれており、緊急性の高い新型コロナウイルスのワクチン接種関連法案などが審議される予定である。

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その後、年末にかけて来年度の税制改正法案や予算案が審議される。2020年度第3次補正予算は、雇用調整助成金の特例措置やGoToキャンペーンの延長などが検討されるようだが、これらの法案は2021年入り後の1月に始まる通常国会で成立する見通しだ。
(注 21日、政府はGoToトラベル予約一時停止などを発表した)

現在、政府には予算として7兆円近くの予備費が残っている。財政支出額が増える程、景気にプラスとみられるが、どのような事業に実際いつから投入されるかは、補正予算の中身を見る必要があろう。

規模だけ増えてもすぐに使われないのであれば、即時性は落ちるが、補正予算が組まれること自体、景気を下支えするという点では株式市場のプラス材料となろう。