Google Earthで見る地球の驚くべき地形

地質・地形・地球史を読み解く
地球科学の第一人者である平朝彦先生のもと、海洋研究開発機構が取り組くんできた数々の知見と資料を網羅した「地球科学」の決定版『カラー図解 地球科学入門 地球の観察』が好評を博しています。本記事では自宅に居ながら地球を観察することができる「Google Earth」の見どころを、平先生に紹介していただきました。

CIA発だったGoogle Earth

地球の衛星画像や地図情報を集めてヴァーチャルな3D画像で表現するという試みは、20世紀後半から存在していた。当時、米国 CIA(中央情報局)の創設した Keyhole社が EarthViewer3Dを開発していた。

Googleは、この会社を買収し、衛星画像、航空写真とGISを組み合わせて、2005年に地球表面の3次元イメージを作り出した。これがGoogle Earthであり、これまで進化を続けている。

Google Earthは地球を全体から細部に至るまで、観察し、理解する最高のツールである。これによって、私たちの地球観は一変したと言って良い。地球全体を見ると、西太平洋・インドネシアの複雑な陸と海の地形、ヒマラヤ・チベット・そしてアフガニスタンからイランにかけての褶曲帯、アフリカ北部の茶、赤道域の緑、両極の白、そして広大な海洋底から構成されているのが一見して分かる。凄い!

さらにGoogle Earthでは、各地の写真やリアルタイムの画像(ストリートビュー)、さらに海底の生物や沈船など、ありとあらゆる情報が乗せられており、まさに地球の情報が一覧できる。

本記事では、Google Earthの見所の地点について解説してある。緯度・経度でしめした場所は代表的な地点であり、もちろん、その周囲を広く、観察して欲しい。

衝上断層褶曲帯

衝上断層褶曲帯(Thrust and Fold Belt)の構造は各地で認められる。例えば、パキスタン、アフガニスタンからイランにかけての一帯は、全域が凄まじいばかりの衝上断層褶曲帯であると言って良い。とくにイランのペルシャ湾岸の褶曲構造は見事である(27°39′N、52°50′E)。

このような褶曲構造形成が石油の移動、胚胎に関係していることが理解できる。また、このような褶曲構造形成が岩塩層を滑り層(デコルマ)としており、また、岩塩ダイアピルあるいは岩塩・泥火山を多数伴っていることが読み取れる(例えば、27°00′N, 55°06′E)。

東アフリカ大地溝帯

ジブチ三角地帯からエチオピア高原そしてケニアにいたる東アフリカ大地溝帯の画像は圧巻である。特にケニアのツルカナ湖から南では、リフトの断層と火山活動の様子が良く読み取れる(1°30′N、37°Eにリフトの東側の断層群) 。