「福利厚生」についても、「同一労働同一賃金ガイドライン」により、原則として正社員向けのサービスと同等の取り組みを行うよう求めています(例えば、正社員だけ社員食堂や更衣室を用意するようなことは明らかなアウト)。
これらは要するに、「入社時の身分(正社員として採用されるか、そうでないか)」ではなく「働き方の中身」で処遇を判断すべきという行政のメッセージです。
しばしば、「採用時にうまく滑り込んだようだが、仕事では役に立たないヤツ」「非正規雇用なのに、正社員なみに働く、頭もいい人」というのが職場にはいますが、生涯賃金で言えば前者が何千万円(下手すれば「億」)の差がついていたものに待ったを出しているわけです。
そして「退職金(企業年金)」の対象とするかどうかが、最後に残された「正社員の壁」でした。
今回は残念ながら支給するべきとはなりませんでしたが、大きな話題となったことは間違いありません。
しかし、実はこの「正社員の壁」に変化の兆しはあります。今年の春から、派遣社員についての同一労働同一賃金について、退職金がそのチェック項目に入っているのです。