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東洋初の地下鉄開通から今日で93年、現在でも営業中のその路線とは?

サイエンス365days

"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。

東洋初の地下鉄は最新ずくめの鉄道だった

12月30日、年越しまであと2日となった今日は「地下鉄記念日」に定められています。

 

地下鉄記念日は、1927年(昭和2年)のこの日に日本初の地下鉄が開通したことを記念しています。この“日本初の地下鉄”は浅草駅と上野駅の間の2.2kmの距離を結んだもので、東京メトロ銀座線として現在も営業されています。

日本初の地下鉄建設に尽力した実業家の早川徳次(はやかわ・のりつぐ、1881-1942)は、地上の混雑にかかわらず時間通りに走るロンドンの地下鉄に感銘を受け、東京に東洋初の地下鉄を作ると決意しました。手探り状態からのスタートだったため地下鉄建設は難航し、道路の浅いところにトンネルを掘る「開削工法」は工夫たちのの人力で行われました。

関係者の努力によって足かけ3年で開通した地下鉄は、車体には鋼鉄、照明には間接照明を用い、自動ドアや自動列車停止装置を備えるなど、すべてが最新ずくめの鉄道となりました。開通当日には午前中だけで4万人もの乗客が押しかけ、実業家たちはその経済効果に揃って仰天しました。東洋初の地下鉄開通を機に、日本人の活動領域は地下にも広がっていくこととなります。

ところで、地下鉄の誕生を聞いたら誰よりも喜んだであろうキャラクターを思いつくでしょうか。それは大ヒット中の漫画『鬼滅の刃』に登場する鬼の始祖・鬼無辻無惨(きぶつじ・むざん)。彼ら鬼の唯一の弱点は日光であり、当たると塵となって消えてしまいます。

もしも鬼無辻が大正時代を越えて昭和時代まで活動し、日の差すことのない地下鉄駅の闇に潜んで鬼を増やし続けるとしたら……あまり想像したくありません。

開通当時から継承されている銀座線の黄色の車体 Photo by Getty Images

※1……シャープの創業者・早川徳次(はやかわ・とくじ、1893-1980)とは別人です。