もう少しビジネス的な視点から見ると、ジャニーズ事務所はマーケティング分析で言うPPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)のバランスがいいから、テレビ局も忖度せざるを得ないところがある。
PPMとは、各商品を市場成長率(縦軸)と市場シェア(横軸)で分類し、戦略や意思を決定するためのベーシックな手法。
このチャートにジャニーズ事務所をあてはめると、「問題児」である若手の中からKing & Prince、SixTONES、Snow Manのような「花形」が生まれつつある最中であり、さらに、なにわ男子や美少年などの有望株が控えている。また、「金のなる木」として嵐、V6、Hay!Say!JUMPなどが収益をもたらす一方、負け犬はほとんどいない。
特に滝沢秀明が裏方のマネジメントに徹してから、「問題児」のジャニーズJr.たちを「花形」に押し上げたことでPPMのバランスが良化しつつある。
テレビ局もそれをわかっているからこそ、「こちらも戦略的にそれなりの忖度はしておくべき」という姿勢なのではないか。各局ともにコロナ禍で大幅な収入減に陥る中、「視聴者感情を多少悪化させてでも、ジャニーズの意向を汲んでいこう」という気持ちは、賛成こそしないが、理解はできるのだ。