マンガ/ISAKA 文/FRaU編集部

「ほな大至急結婚せんと!」

結婚している女と結婚していない女は、まったく違う生き物だ。

そんなドキッとさせる言葉が飛び出すマンガが、ISAKAさんの『ON THE ROAD GIRLS』。「Kiss」のデジタル妹誌「ハツキス」に連載され、20日に最終巻の3巻が配信される。

主人公の鈴木ユキノは38歳。東京の大企業で働いていたが、ある事情で3ヵ月前から地方の田舎に帰ってきた。自分が嫌で嫌で飛び出した田舎に、また戻っている。そしてそこには、昔から全く変わらない価値観が横行している。それをユキノは痛感する。

痛感するだけではない、ユキノはその「昔の価値観」をどんどん指摘する。たとえばある法事の場。酒に酔った伯父からこんな言葉をかけられる。

「ユキノ、何歳になった」
「38です」
「ほな大至急結婚せんと! 早よお母さん安心させたりーな」

(C)ISAKA/講談社『ON THE ROAD GIRLS』1巻

するとユキノは言うのだ。
「和政おじさん!お酒医者に止められてるくせにそんなに飲んで家族心配させてどーするの? 私の代わりに手伝ったら? 運動不足も指摘されてるんでしょ?」
な、女のくせに生意気言いおって! と、ビールをかけあい、おしぼりを投げあう騒動に――。ユキノと同じような状況にあっても、同じ言葉を言いたくても言えずにいた人も少なくないのではないだろう。

ある意味スカッとする人も多いはずだ。

(c)ISAKA/講談社『ON THE ROAD GIRLS』1巻

「普通の女の幸せ」とは何かを描きたかった

ここでは「都会と地方」「男と女」「結婚と未婚」という「目に見える違い」が描かれている。それによって「普通の幸せとは何か」「自分は何をしたいのか」ということに対する答えが浮かび上がってくる。

作者のISAKAさんはこう語る。

「きっかけは『普通の女の幸せ』ってなんだろうなと考えたのが始まりだったように思います。

何故そう思ったかをよくよく考えると『早く誰かいい人が見つかるといいね』とか『守るものができると人生が違って見えるよ』とか、きっと良かれと思って助言してくれる言葉が、 すごく苦痛な時期がありました。なぜそんなに私は苦痛なのかと考えた時『あなたは普通と違う』と言われてる気がして腹を立てていたのだと気づきました 。
そして逆も考えました。
なぜ彼、彼女らは私にそんな助言をするのだろう……と。そこにはきっと同じ『普通』というワードが根幹にあると 思いました。つまり私も彼らも同じワードに振り回されているのではないか、では『普通の女の幸せ』とはいったい何だろう……という考えに至ったと言うのが経緯です。

ただ、この作品で『普通について』とか『普通という同調圧力』とか、何かを問いかけるものを描きたかったのではなく、私が見て感じた様々な女性を『普通』という色眼鏡なしで、できるだけ生々しく表現することで、『普通』に苦しむ人が一瞬でもそれから解放されればいいなと思って描きました。
それは『地方と都会』や『男女格差』など一見対極にあるものも実を探る事で見え方が違ってくる……と言う事にも通じるかもしれません。
本作を地方にしたのは、私が地方出身者なので、より肌に伝わるような漫画が描けると思いそこに設定しました」

人間の愚かしさと愛おしさ

『ON THE ROAD GIRLS』に描かれているのは、他人事ではなく、誰もがきっと経験しているであろうことばかりだ。担当編集者は、連載が始まってから引き継いで単行本にしたのだという。つまり、第一読者の代表でもある。担当の言葉がこの作品を言い表しているのでご紹介しよう。

「『結婚してる女としてない女は全く違う生き物だ』――このセリフに象徴されるように、本作の中には思わずギクリとさせられるような言葉がいくつもちりばめられています。女性が感じる生きづらさ、閉鎖的な地方都市で感じる息苦しさを見事に表現しつつ、人間の愚かさと愛しさを温かく描き出すこの作品は、読み終えたあと確かな肯定感に包まれます。女同士の見栄や嫉妬……怖いものみたさで読み進めて頂くと、想像もしなかったラストが待っていることと思います。ぜひご覧になってみてください」

最終巻3巻発売を記念して実現した1巻1話の無料試し読みで、ISAKAさんが浮かび上がらせたリアルを体感していただきたい。

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