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ファイザーの「新型コロナ・ワクチン」が大統領選後に発表された理由

トランプ政権の圧力に屈することなく

米国の製薬大手ファイザーとドイツのスタートアップ企業「BioNTech」は先日、「共同開発した新型コロナ・ワクチンは90パーセント以上の予防効果がある」とする臨床試験の中間結果を発表した。

「90パーセント以上の予防効果」とは

この臨床試験(フェーズ3)は今年7月に開始され、当初は米国、アルゼンチン、ブラジル、ドイツから3万人以上の被験者が対象となったが、9月に約4万4000人にまで拡大された。ただし試験を完了したのは約4万人だ。これらの被験者は臨床試験を受ける時点で、新型コロナに感染していないことが確認されている。

この約4万人の半数には実際にワクチンが(3週間の間隔を開けて)2度接種された。残りの半数はいわゆる「プラシーボ(偽薬)」が接種された(要するに、敢えてワクチンが接種されなかった。このような被験者は、科学実験における「対照群(controlled)」と呼ばれる)。

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結果、今月初頭までに新型コロナに感染し、何らかの症状を発症した被験者は全体で94人。このうちワクチンを接種した被験者の数は、接種しなかった被験者の数よりも9割以上少なかった。

あるいは「ワクチンを接種して新型コロナに感染・発症した人の数は、ワクチンを接種せずに感染・発症した人の数の1割以下だった」と言い換えることもできる。いずれにせよ、これが冒頭の「(ワクチンは)90パーセント以上の予防効果がある」とする中間報告が意味することだ。

これから逆算すると、ワクチンを接種した被験者2万人のうち、(以後3~4か月以内に)新型コロナに感染・発症したのは8人以下。逆にワクチンを接種しなかった被験者2万人(対照群)のうち、新型コロナに感染・発症したのは86人以上と推定される。

 

これを他のワクチンと比較すると、たとえば私たちが冬場に接種するインフルエンザ・ワクチンによる予防効果は最高で55パーセント程度と言われているので、それに比べれば相当高い数字と見ることができる。