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永久機関の研究から生じた「エントロピー」、その提唱者の偉大な業績とは?

サイエンス365days

"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。

科学を発展させた「永久機関」への挑戦

1822年の今日(1月2日)、ドイツの物理学者ルドルフ・クラウジウス(Rudolf Julius Emanuel Clausius, 1822-1888)が誕生しました。 

 

クラウジウスは「熱力学第2法則」や「エントロピー」など、熱力学における重要な概念の提唱を提唱し、熱力学の基礎を作った人物として知られています。

ルドルフ・クラウジウスの肖像 photo by Getty Images

現在のポーランド・コシャリンという街で生まれたクラウジウスはベルリン大学を卒業後、チューリヒ大学やビュルツブルク大学の教授職を経て1869年にボン大学の教授となります。のちに、彼はこの大学の学長となります。

そんな研究生活の中で彼は熱力学に革新的な進歩をもたらします。

彼の生まれた19世紀、前世紀から続く産業革命の影響もあり、科学者たちはエネルギーに関する論議を盛んに行っていました。

特に注目されていたのが「永久機関」という外部からエネルギーの供給を受けずに仕事を行い続ける構造についてです。

永久機関は外部に影響を与えずに仕事を続ける第一種、ただ一つの熱源から熱を吸収してエネルギーに変えて仕事を続ける第二種に分けられ、第一種はエネルギー保存の法則(熱力学第一法則)でその実現が否定されていました。

擬似的な永久機関のおもちゃ photo by iSock

第二種についてもフランスの物理学者サディ・カルノー(Nicolas Léonard Sadi Carnot)がカルノー機関と呼ばれる架空のエネルギー機関を考案した上で、「熱エネルギーを仕事エネルギーに最大効率で変換してもその値は100パーセントにならず、いずれ仕事を止めてしまう」と述べました。

これに目をつけたのがクラウジウスで、1850年に彼は第二種永久機関が成立しない理由について「熱は低温から高温に自発的に移動することはない」ことを暴き、低温から高温への移動を行うため余計なエネルギーを消費していることが原因だとしました。

これが有名な熱力学第二法則です。また、彼はこの熱という部分を敷衍(ふえん)して、計算できる物理量としての系の乱雑さを表す概念・エントロピーを考案しました。熱力学第二法則はエントロピー増大の法則とも言われています。

エントロピーとはなにか?

このエントロピーはコーヒーにミルクを入れることなどでよく例えられます。ブラックコーヒーにミルクを入れると最初はあまり混ざっていないためある程度秩序立った状態ですが、かき混ぜるたびにコーヒー内のは無秩序になっていきます。

しかし、コーヒーとミルクを分離してまた元の状態に戻すことはできません。

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クラウジウスはこの二つの概念を作り出したことで熱力学の基礎を生み出します。

そして、彼の考えを元に、マクスウェルやボルツマンといった天才たちが物理学さらなる発展へと導くこととなるのです。

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