より豊かな社会を目指して、各地でさまざまなアクションが行われています。日本の自然風土に根付いた持続可能な暮らしから、ごみや資源を有効利用する取り組み、生きづらさを抱える人に寄り添う活動まで、日本全国の取り組みをご紹介。今回は、食や体験などにまつわる取り組みを紹介します。

Itoshima Share House
いとしまシェアハウス/福岡県

「生きること」を共有する、体験型シェアハウス

短期での体験居住も可能。年齢制限なし。イベントも随時開催中。itsmsh.com

「シェアハウス」とは住宅を複数人で共有する賃貸物件のこと。が、〈いとしまシェアハウス〉はちょっと違う。住人の間でシェアするのは住居だけではなく食べ物・お金・エネルギー、そして体験だ。

棚田に囲まれた美しい集落。

緑豊かな集落にたつ築80年の古民家を改修しつつ、田んぼや畑仕事なども行う。米の自給率はなんと100%! 野菜を育てる人もいれば海で魚を突いてくる人もいるし、山で山菜を採ってきたり猟をしたり、養蜂をする人もいる。そしてみんなでおいしくいただく。エネルギーはというと太陽光パネルを利用したり、薪で床下を温める床暖房オンドルを作ったり。

野菜や果実を育てたり、お金を生む仕事を作ったり、暮らしのあらゆることが手作り。

それぞれが自分の興味や得意分野を生かして「生きるために必要なもの」を自らの手で生み出し、分かち合って暮らす。いくら自然の中とはいえ、お金は絶対に必要。田舎暮らしが体験できるツアーやイベントの企画、納豆や塩を手作りできるキットの販売やオンラインワークショップなどを通して仕事を作り、現金収入を得ている。

個性豊かな住人たち。得意なことを生かして暮らす。

そして一番大切なシェアが「体験」。これまで暮らしてきた人の多くがここでの体験を通して自分が本当にやりたいことを見つけ、新しい世界へ巣立っていった。シェアすることで互いに学び、成長する。豊かなシェアのあり方が、ここにある。

SUNSHINE JUICE
サンシャインジュース/東京都

ジュースを地球に還元し、人も環境も健康に

オーガニックなビーガンソイルは、栄養価が高くハイクオリティ。家庭菜園にも。コスミックコンポスト¥600。

野菜や果物の栄養を生かす、コールドプレス製法のジュースで知られる〈サンシャインジュース〉。生産者を訪ねて探す食材には、有機栽培や特別農法のために質は良いのに傷がついてしまったB品も、積極的に使用している。

搾りかすを土に戻し、米ぬかや落ち葉などをブレンドしている。東京都渋谷区恵比寿1-5-8 ☎03-6277-3122 sunshinejuice.jp

また、なるべく無駄をなくしたいと、パルプ(搾りかす)をさまざまに有効活用。スープやカレーのダシにしたり、エプロンやバッグの染料としてアパレルブランド〈Lefts,〉に提供したり、近年では、コンポストにする取り組みも始めた。野菜かすを発酵させた良質の堆肥は、農薬の要らないオーガニックで安全な野菜作りにもつながる。健康的なジュースが、地球環境にも優しい循環を生んでいる。

Otera Oyatsu Club
おてらおやつクラブ/奈良県

全国のお寺による、おそなえものの「おすそわけ」

多くのおそなえが集まるお寺。

子どもの7人に1人が貧困状態にある日本(*厚生労働省調べ)。そんな現状を受け、全国のお寺が立ち上がっている。〈おてらおやつクラブ〉は全国のお寺と支援団体、そして檀信徒および地域住民が協力し、慈悲の実践活動を通して貧困問題の解決を目指す活動。

〈おてらおやつクラブ〉では活動趣旨に賛同する全国のお寺と子どもやひとり親家庭などを支援する団体をつなぎ、お菓子や果物、日用品などを届ける仕組みを作っている。otera-oyatsu.club

お寺に供えられるお菓子や果物、日用品などの「おそなえ」を仏さまからの「おさがり」として頂戴し、支援団体の協力のもと、経済的に困難な状況にある家庭へ「おすそわけ」しているのだ。

現在活動に参加しているのは1457寺院、460団体。「おすそわけ」を受け取る子どもたちは毎月のべ約1万1000人にのぼる。