「安易なセックス・緊急避妊」 のジャッジメント

緊急避妊薬へのアクセス改善のニュースが上がるたびについて回るのは、「緊急避妊薬が簡単に手に入るようになったら『安易なセックス』『安易な緊急避妊』が増える」という表現だ。遠見さんは、この『安易』という言葉に、多くの女性たちが傷ついていると話す。

10月23日の遠見さんのtwitter。ほかにも緊急避妊薬の問題などを積極的に配信されている。

「『性暴力被害者には緊急避妊薬を手に入れやすくしたほうがいいけど、それ以外の場合は安易なセックスや安易な緊急避妊が増えるのではないか』という医療者の意見を耳にしますが、私たち医療者は目の前にいる人の人生のごく一部しか知りえないし、その人が抱えている問題の全てを見ることはできません。

診療のときの表面的な理由や態度、緊急避妊薬を使用した回数などから、その人を『安易だ』『安易ではない』とジャッジする役割はありません。なぜ、他人が『安易だ』とジャッジメントできるのでしょうか。どんな理由や背景であっても緊急避妊薬を必要とする全ての女性が迅速かつ安全にアクセスできるシステムを整えることが大切です。

さらに人工妊娠中絶に対しても『安易な中絶』と表現されることがあります。安易な緊急避妊、安易な中絶ってなに?慎重な緊急避妊、慎重な中絶ならいいの?一体、誰がジャッジできるのでしょうか。安易、安易という勝手な決めつけがいちばん安易な人権侵害だと思うのです。

緊急避妊薬のアクセス改善に対する慎重論のなかには『性被害者は薬局で買って済ませてはいけない』(つまり必ず産婦人科を受診し、被害を打ち明けられないなら渡さない)『転売など悪用をさせないよう目の前で飲ませる』『知識やリテラシーのない女性が乱用する』『女性には指導が必要だから受診させる』……こういった発言には『女性を管理下におき、妊娠する側の女性に指導の重きをおく』といった支配的なパターナリズムを感じざるをえません」

確かに、「安易」という表現には、「女性のことは信用できない」という含みを感じさせる。性的な自己管理は女性にはできないからと言われているに等しい。