「意図せぬ妊娠」による不幸な事件

昨年の11月、就活中に羽田空港のトイレで出産し、公園に遺棄した元女子大生が、死体遺棄容疑で今月逮捕された。また、10月末に岡山の公園で出産した子どもを用水路に投げ込み殺害した容疑で35歳の女性が逮捕された。

こういった不幸な事件は後を絶たない。

厚生労働省が2020年9月に公表した『子ども虐待による死亡事例等の検証結果等について』には、以下のように記載されている。

「第 16 次報告における死亡時点の子どもの年齢は、心中以外の虐待死で は0歳児が 40.7%と最も多く、0歳児の月齢では0か月児が 31.8%と最 も多い。また0か月児の死亡事例は、全て日齢0日で、つまり生まれた当日の死亡である。 心中以外の虐待死で実母が妊娠期・周産期に抱えていた問題は、『遺棄』 が 35.2%と最も多く、次いで『予期しない妊娠/計画していない妊娠』24.1%、『妊婦健診未受診』22.2%であり、引き続き妊娠期に支援を受けないまま出産し、遺棄に至っている事例が多いことが伺える」

つまり、「予期せぬ妊娠」や「意図せぬ妊娠」がその背景にあることは間違いないのだ。では、このような悲しいことが二度と起きないようにするために、今必要なことはなにか。産婦人科医の遠見才希子さんに話を聞いた。

「意図しない妊娠を防ぐためには、性教育や日頃の避妊法へのアクセス、性的パートナーとの対等な関係性など様々なアプローチが考えられます。一方、避妊の失敗や避妊具を使用しないセックス、またレイプや性的同意がない強要されたセックスなどがあったときに重要なバックアップとなるのが、緊急避妊薬(通称アフターピル)です。海外では約90ヵ国において薬局で安く購入できますが、日本では産婦人科などの受診と自由診療で約6000円~2万円を要します。これは世界一高額ともいわれ、入手までのハードルが社会問題となっています」 (遠見さん)

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