文在寅が「バイデン勝利」で大パニック…なぜか「特使派遣」で日韓「関係修復」を焦るワケ

武藤 正敏 プロフィール

韓国が日韓修復を急ぐわけ

韓国側の言う発想の転換が「政治宣言」のことか。徴用工という日韓間の懸案を避けて関係を改善する方策として、どのような意味があるのか。

韓国側が「政治宣言」で問題を解決しようというならば、徴用工問題に対する文在寅氏の認識が変わらなければならない。

これまで私の長い外交官生活の中で、日韓関係が膠着した時に、日韓の議連には問題解決の根回し、環境整備の面で大変お世話になった。しかし、議員連盟が日韓間の間で調整に入るのであれば、より具体的かつ率直な議論を経る必要があり、それに耐える人間関係が必要である。現在の文政権に近い韓国側の議連幹部とそのような人間関係を築くのは難しいであろうし、文在寅氏に対する影響力もないだろう。

日韓の議連の努力には敬意を表するが、本当に関係改善に成果を上げるのであれば、お互い儀礼的な発言を繰り返すのではなく、率直で厳しいやり取りがあってもいいのではないか。

菅政権はどう応じるか photo/gettyimages
 

文在寅氏は、バイデン氏が大統領に就任すれば日韓の関係修復を求めてくると予測している。

しかし、政府間では先般の外務省局長レベルの会合が平行線に終わり、日中韓首脳会談のソウル開催の道筋もつかないことから、政治家レベル、議員外交を通じて糸口を模索しているのであろう。

韓国とすれば、バイデン政権に一番期待していることは北朝鮮との対話、関係改善、北朝鮮への制裁緩和である。これの障害となる状況は少しでも取り除いておきたいのであろう。そのためには、日韓関係の改善は不可欠である。

日韓関係を改善したいのであれば、単に窓口を変えるのではなく、徴用工問題の抜本的な解決に向けて韓国政府の実質をともなう大胆な決断が必要である。