中国に「日本のブランド農産物」が流出している…今こそ種苗法を改正すべき理由

中には支離滅裂すぎるヤバい反対論も…
山口 亮子 プロフィール

30以上の品種が中韓へ流出

「え、流出してるんですか……?」

電話の向こうから、職員の困惑した声が聞こえる。私は国内で品種改良されたブランド柑橘の中国への流出を調べており、ある研究機関に問い合わせの電話をした。

この機関が開発し権利を持つ2品種と、研究段階で生まれた市場に出ていないはずの品種が中国で栽培されているらしいと、中国の検索エンジン百度(バイドゥ)で調べて気付いたからだ。品種の特徴から栽培のコツまで、収穫までに必要な情報が、中国語で大量にネットに上がっている。

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新しい品種の開発過程では、市場で売られるまで至らないものも生まれる。その中には、他の品種と掛け合わせることで、花形の品種を生み出すものもある。流出の可能性がある研究段階の品種は、日本で市場デビューしなかったとはいえ、食味や育てやすさが中国においては魅力だったのだろうか。もし本当に流出したなら、今からこの機関が中国で権利を主張するのは、相当難しいはずだ。

職員は寝耳に水だったようだ。私は、もし実態を把握しているならコメントをもらおうと考えていたのだけれども、逆に詳細な情報を提供することになった。

中国への流出事例は他にも…

中国で日本のブランド品種が大規模に栽培されるのは、珍しいことではない。社団法人や研究機関などで構成される植物品種等海外流出防止対策コンソーシアムは9月、

「中国、韓国のインターネットサイトで、日本で開発された品種と同名またはその品種の別名と思われる品種名称を用いた種苗が多数販売されている事例が明らかとなった」

と発表した。36の品種が確認されたという。日本の品種のブランド名だけを借りた偽物も混じっているかもしれない。ただ、ネットを見る限り、流出したのは36品種などという数字には到底収まらないだろう。