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中国に「日本のブランド農産物」が流出している…今こそ種苗法を改正すべき理由

中には支離滅裂すぎるヤバい反対論も…

ネット上で盛り上がる「トンデモ反対論」

「#種苗法改悪反対」
「#日本の農家を守れ」

こんなスローガンやハッシュタグを、インターネット上で見かけたことはないだろうか。今春、農林水産省は種苗法改正案を国会に提出した。その前後から反対運動が盛り上がり、特にある著名人がツイッターで反対意見を投稿したのがきっかけとなって、ネット上では反対派が賛成派を圧倒している。

中には「日本の農業が海外のバイオメジャーに乗っ取られる」「遺伝子組み換えの農産物しか食べられなくなる」といった、トンデモ論も珍しくない。

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その実、種苗法改正は、農業の現場の必要に基づいた、極めて実務的なものだ。現行の種苗法は1998年にそれまでの法律を大幅に改正し、公布された。植物の品種の開発者に「育成者権」と呼ばれる知的財産権を認め、種苗や収穫物、一定の加工品を利用する権利を専有すると定めるなど、その保護をうたっている。新しい品種を生み出すにはふつう10年はかかるとされる。育種というのは、膨大な時間と労力、費用がかかる仕事だ。

ところが、現行法はまだまだ育成者権保護が弱いという欠点があった。農家は種苗を買った後、基本的に自由に「自家増殖」ができ、収穫物から次の世代を生み出せる。そのため、育成者権の権利者は、自分が開発した種苗がどう使われるのか把握が難しい。

また現行法では販売された種苗を海外へ持ち出すことも禁じられていない。国内の自家増殖の実態が把握しづらいために、海外への流出のリスクが高まってしまう。現行法よりも手厚く育成者権を保護し、より優れた品種の開発を促しつつ、海外や産地外への種苗の流出を阻止する――これが11月11日から国会審議が始まった種苗法改正案の主眼だ。