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菅首相が突然「安倍継承」を否定した「戦略的理由」

一方、「防衛省予算」を見てみると…

なぜ安倍発言を否定したのか

今年9月の退任直前、安倍晋三首相は談話を発表し、「敵基地攻撃能力の保有」と「イージス・アショア代替策」を検討するよう言い残した。

後任の菅義偉首相は「安倍路線の継承」を明言していたにもかかわらず、ここへ来て「この談話は閣議決定を得ていない」と述べ、手のひらを返した。

衆院解散・総選挙の足音が近づき、敵基地攻撃に反対している与党・公明党に配慮してのトーンダウンとみられるが、防衛省は何事もなかったかのように談話の実現へ向けて作業を進めている。菅発言は、選挙のための弥縫策なのか。

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驚きの菅発言は、11月4日の衆院予算委員会で飛び出した。

9月に安倍前首相が発表した安全保障政策に関する談話について「この談話は閣議決定を得ていない。そういう意味において、原則として効力が後の内閣に及ぶものではないと考えている」と述べた。

その一方で「私の内閣においても談話を踏まえて議論を進め、あるべき方策は考えていきたい」と続けたが、その前に「閣議決定を得ていない」と談話を軽視できる旨、発言しているだけに説得力はない。

安倍談話に縛られないことを表明したことにより、年末に改定が予定される「防衛計画の大綱」「中期防衛力整備計画」に「敵基地攻撃能力の保有」を書き込む案は消えた。改定は、イージス・アショア代替策の検討を追加する程度にとどまる見通しだ。