大学の研究職には興味なし!「ジュールの法則」で知られる偉大な科学者の生き方

サイエンス365days

"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。

大学に所属しなかった科学者

1818年の今日(12月24日)、イギリスの物理学者ジェームズ・ジュール(James Prescott Joule、1818-1889)が誕生しました。彼は、熱量や仕事量の単位である「ジュール」に名を残す人物として知られています。

ジェームズ・ジュール Photo by Getty Images

ジュールが生まれたのは、イギリス・イングランド地方のマンチェスター地域中心部にあるソルフォード(Salford)という街です。古くから西欧でも特に産業がさかえており、産業革命の中心地ともなるこの街で、トムソンは次男坊として育てられます。

トムソンの両親は醸造業を営んでおり、基本的には両親や家庭教師から勉強を学んでいて、ほとんど学校に行くことがありませんでした。しかし、そんな彼は15歳のとき、ある人物に出会うことになります。

 

その人物とは、化学反応における「倍数比例の法則」発見で名高いジョン・ドルトン(John Dalton、1766-1844)でした。ドルトンに学ぶ機会に恵まれたジュールは、その生涯を研究に費やすことになります。ただ、学校に通ったことがない彼は、教授職に興味がなく、両親同様に大きな醸造所を所有しながら自室で研究したのです。

ジョン・ドルトン Photo by Getty Images

自分の部屋で実験や研究に取り組むのが大好きであったジュールは、はじめモーターの改善を試みました。より効率よく、発熱の少ないモーターを求めた彼は、まずモーターの発熱量を研究します。水にコイルを浸からせて電流を通し、水温の上昇を調べました。

その結果、電力は抵抗と電流の2乗の積に、発熱量は抵抗、電流の2乗、時間の3つの積に比例することを発見しました。これは、現在でも「ジュールの法則」として知られています。さらに、圧縮ボンベやコイル、羽根車を用いて熱の仕事量を精密に求めた最初の科学者でもありました。そのため、熱量の単位に名が残っているのですね。

もうひとりの科学者との出会い

そんな彼でしたが、その研究成果が最初から認められていたわけではありませんでした。大学に通っておらずジュールという研究者の存在自体を知らない人も多かったことが、その一因かもしれません。しかし、ある人物が彼の偉業に注目していました。

その人物は、ウィリアム・トムソン(William Thomson、1824-1907)です。彼はのちに「ケルビン」という爵位を賜り、絶対温度の単位に名を残すことになります。そのトムソンがジュールを評価したことで、ジュールの業績が普及したのです。

ケルビン卿ことウィリアム・トムソン Photo by Getty Images

実験に没頭し、独学で物理や化学を研究したジュールでしたが、ドルトン、そしてトムソンといった人物に人生のターニングポイントで救われたといって良いでしょう。人と人とのつながりの重要性を、改めて実感させられますね。