オードリー・タン「外国語を学ぶ本当の意味」

オードリー・タン 自由への手紙(12)
語り)オードリー・タン,  構成)クーリエ・ジャポン プロフィール

プログラミング言語が共通語でもいい

この話に対して、「英語を学ぶことが重要だ」という平板なとらえかたをする必要はありませんし、それはとても狭い、誤ったとらえかたでもあります。

※画像はイメージです。Photo by iStock

たとえばこれからは、プログラミング言語が、英語に匹敵する共通語になるかもしれません。プログラミング言語のジャバスクリプトは英語と同様に、いいえ、英語以上に、国際的交流の場でよく使われている言語です。

ジャバスクリプトのみならず、スクラッチやパイソンというプログラミング言語は、多くの異文化と異文化を自由につなぎ、混じり合った新たな文化をつくりだしている。言ってみれば、コンピュータの世界でトランスカルチャーの触媒になっています。国ごとにそれぞれのコンピュータ設定がありますが、大きな問題ではないでしょう。

 

ユーザーがプログラミング言語を学ぶのは、プログラマーになりたいからではありません。そのプログラムを使って何かをやりたいからです。

コンピュータは誰かの発明と誰かの発明が掛け合わされて発達してきたという歴史があります。国を超えた人と人との協働が、コンピュータの成り立ちなのです。

私は8歳のときに独学でプログラミングを学んで以来、コンピュータに親しんできました。他の人たちと互いの成果をもち寄って編集し、新しいものをつくり出す「リミックス」は楽しいものです。リミックスは開発の本質だと思いますし、特にパワフルです。

コンピュータ上には今も「Duolingo(デュオリンゴ)」のようなリミックスコミュニティがたくさんあって、みんなが自発的に翻訳を上げたりしている。相互にやり取りできる空間がそれを実現しています。

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