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オードリー・タン「外国語を学ぶ本当の意味」

オードリー・タン 自由への手紙(12)
オードリー・タン。
新型コロナウィルスが蔓延する台湾で、マスク在庫がリアルタイムで確認できるアプリ「マスクマップ」を開発し、その対応が絶賛されたことで名前を知った人も多いことだろう。
彼女(氏によれば「性別なし」なのだが、
ここでは便宜的にそう呼ばせていただく)は2016年、35歳という若さで蔡英文政権に入閣、デジタル担当政務委員(大臣)に就任。
そんな彼女が語った、このデジタル時代に「自由になる」ということ、貴重なインタビューを『オードリー・タン 自由への手紙』よりお届け。第12回は「言葉の壁から自由になる」。>今までの連載はこちら!
 

言葉の壁から自由になる

私の母語は台湾語ですが、考えるときは英語です。英語の他に標準中国語とドイツ語を学び、フランス語も少し話せます。

そんな私が重要だと思うのは、多くの言語を習得すればするほど、新しい言語を学びやすいということ。

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当たり前の話ですが、言語は文化に通じていて、より多くの文化に接している人ほど、新しい文化を受け入れやすくなります

つまり、たくさんの言語ができるということは、たくさんの文化を取り入れられるということです。

そこで台湾政府は、10年以内にバイリンガル国家になることを目標に「2030年バイリンガルカントリープロジェクト」を発足させました。

しかし、私たちが言う「バイリンガル」は、必ずしも台湾の公用語と英語を指しているわけではありません。

たくさんの原住民がいる台湾には、20を超える言語があり、その大半が土着言語です。アミ語、タイヤル語、ルカイ語、マカタオ語……。

つまりバイリンガルとは、「アミ語+英語」でもいいし、「ハッカ語+英語」でもいい。自分の母語に加えて英語を話せるようになるということを、私たちは「バイリンガル」としています