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【オードリー・タン】トランスジェンダーを公表した彼女が思う「男はブルー、女はピンク」の罪

オードリー・タン 自由への手紙(8)
オードリー・タン。
新型コロナウィルスが蔓延する台湾で、マスク在庫がリアルタイムで確認できるアプリ「マスクマップ」を開発し、その対応が絶賛されたことで名前を知った人も多いことだろう。
彼女(氏によれば「性別なし」なのだが、
ここでは便宜的にそう呼ばせていただく)は2016年、35歳という若さで蔡英文政権に入閣、デジタル担当政務委員(大臣)に就任。
そんな彼女が語った、このデジタル時代に「自由になる」ということ、貴重なインタビューを『オードリー・タン 自由への手紙』よりお届け。第8回は「ジェンダー概念から自由になる」。>今までの連載はこちら!

ジェンダー概念から自由になる

“Fast, Open, Fair & Fun.”

新型コロナウイルスに関して「台湾の感染予防対策の成功要因とは?」と問われるたび、私は「速やかに、オープンに、公平に楽しくやることが大切です」と答えていました。

本を手にするオードリー・タン氏 ©️山中肇 撮影 c8x-photography

「速く」という点で言えば、台湾の情報は非常に速かった。2020年、中央流行疫情指揮中心(CECC)は、新型コロナウイルス感染症対策について3ヵ月間ほぼ毎日記者会見をひらき、それをライブストリーミングしていました。

また、フリーダイヤル1922に電話をすれば、誰でもソーシャルイノベーションのアイデアをCECCと共有できるようにしました。

各薬局のマスク在庫量を、みんなが知ることができるアプリを導入し、在庫量は3分ごとに更新されるようにしました。

こうして1922に電話をすれば、どんな人も疑問、意見、アイデアを言える。国民健康保険証さえもっていれば、外国人を含む台湾に住むみんながマスクを購入できる。さらに在庫を知るアプリに付随して、目が不自由な人も音声によって同じ情報にアクセスできるアプリもつくる――まさに「速やかに、オープンに、公平に」を具体化するかたちで、新型コロナウイルス対策は進んでいきました

もちろん「楽しさ」を忘れてはなりません。

たとえば、感染症予防の注意事項。くしゃみや咳をするときは、鼻と口元を覆うエチケットを忘れずに、2m以上の距離を保ちましょう、手洗いをしっかりと……。

 

これらを促すのは、衛生福利部(日本の厚労省に相当)のスポークスマンならぬ、スポークスドッグ。犬が予防対策を説明しているかわいらしい画像や動画のほうが、ミームとなって拡散しやすく、味気ない注意喚起にも楽しさが加わるというわけです。

さらに間違いをただす際こそ、ユーモアが役立ちます。ユーモアはデマを打ち消す力になってくれるのです。