マンションよりコロナへの対応をとりやすい
この変化は、コロナ禍ではマンションより一戸建てのほうが快適で、安全・安心と考える人が多いために起こっている現象ではないだろうか。
後に触れるように、床面積はマンションより一戸建てのほうが広いのがふつうで、在宅ワークのスペースを確保しやすいし、マンションに比べて外部の人との接触機会が少なく、換気しやすく、万一の場合にも家族のソーシャルディスタンスをとりやすいなどのメリットがある。
しかし、一戸建てはどうしても都心から遠くなる、最寄り駅からの徒歩時間が長くなるなどのデメリットがあるが、それも在宅勤務が前提になれば、さほど気にせずにすむ。
通勤頻度が少なくなれば、多少通勤時間が長くなっても苦にならないし、それよりは郊外の空気のきれいなところのほうが安心。あるいは、思い切って地方に移住して、広めの一戸建てを確保するといった考え方をとる人も増えている。
マンションより2000万円以上安い物件も…
コロナ禍で一戸建てへの関心を高める流れになっているわけだが、そのベースには、一戸建てがもっているさまざまなメリットがある。コロナ禍が、それを気づかせてくれたといってもいいかもしれない。
その一戸建てのメリットとして第一に挙げられるのが、価格が安いという点だろう。
かつては、「一戸建てが買えないので、仕方なくマンション」という時代もあったが、近年ではマンションのほうが高くなり、「マンションが買えないので、仕方なく一戸建て」という流れになっていた。
しかし、コロナ禍によって「仕方なく」の文言がとれて、積極的に安い一戸建てに目を向けるようになっているといっていいだろう。