ナイジェリアで砂を採掘する労働者[Photo by gettyimages]

砂をめぐり住民同士が殺しあう…アフリカで起きている「砂戦争」のリアル

矢で射られて亡くなった人も
私たちの身近にある砂は、もはや貴重な「資源」になった。コンクリートや半導体は砂なしでは作れないため、世界中で「争奪戦」が起きている。特に経済発展が目覚ましいアフリカでは、ビル建設に必要な砂への需要も大きい。新刊『砂戦争』から、砂をめぐるアフリカでの壮絶な争いついて、一部編集のうえ紹介したい。
 

アフリカで勃発した「砂紛争」

驚異的な人口増加が続き、都市化が進むアフリカでも、砂資源をめぐって事件が起きている。

ケーブルテレビの「ディスカバリー・チャンネル」で、サバイバルの専門家エド・スタフォードの「秘境ハンター」を観ていた。人工衛星の画像から、地上の得体のしれない地形や物体を見つけて現場を探検するという設定だ。その番組は南部アフリカのザンビア西部の草原に点在する連なった丸い大きな穴が目標だった。まるで培養器の培地の上で増殖した細菌のように見える。

私はかつてザンビアに住んでいたことがあるので、その現場に向かう途中の町までは行ったことがあった。スタフォードはその町を出発したあと、ジャングルに分け入り川をボートで下ってあやしげな丸い穴にたどり着いた。何と穴の正体は砂を採取した跡地だった。こんな奥地まで砂採掘の手が伸びていることを知って、ショックを受けた。

私は過去40年間、幾度となく日本とアフリカを往復してきたが、たずねるたびに都市の急成長には目を見張る。過去25年間、年に3~5%の高い経済成長率を示し、アジアに次ぐ成長拠点でもある。多くの国で建築ラッシュがはじまって高層ビルも増えている。砂問題と無縁ではなくなってきた。