大阪維新による「排除と分断の自治」を市民はいつまで支持し続けるのか

「外国籍住民」の投票権を考える
西岡 研介 プロフィール

国籍による分断と排除

行政が、ある特定の個人や集団を、その国籍や民族、性別など、自ら主体的に変えることが困難な属性を理由に、制度の対象から除外するのは、「差別」にほかならない。

さらに、その長が「制度に参加したければ、その属性を変えろ」というのは、大阪市は、トップ自らが率先して、差別を助長している自治体である、と公言しているようなものだ。

約15万人の外国籍市民の多くが、自らの国籍に愛着や誇りを持ち、それをアイデンティティーとしている。このうち、様々な歴史的経緯から大阪に居住する在日コリアンら「特別永住者」は約5万人と、その3分の1を占める。

彼らのほとんどが、大阪で生まれ育った2〜4世で、日本国籍を持つ市民と同様に、社会生活や経済活動を営み、税金を納め、保険や年金制度を支えている。そして、その中にはいわゆる「エッセンシャルワーカー」として、このコロナ禍の医療や福祉、介護の最前線で、大阪市民のために闘っている私の友人も数多くいる。

松井市長の発言は明らかに、彼ら、彼女らの尊厳を傷つけると同時に、日本国籍を持つ大阪市民から分断し、排除するものだった。

 

先に引用した大阪市のホームページにはこうある。

〈 しかし、今なお、国籍や民族を理由とした差別やいじめがあります。国籍や民族などの違いにかかわらず、一人ひとりがそれぞれの違いを認め合い、理解を深め、ともに社会の一員として暮らし、そして活躍できる、「すべての人の人権が尊重される社会」、「豊かな多文化共生社会」を築いていきましょう…… 〉

自分たちで、彼らを〈社会の一員〉から排除しておいて、何をか言わんやという話である。

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