大阪維新による「排除と分断の自治」を市民はいつまで支持し続けるのか

「外国籍住民」の投票権を考える
西岡 研介 プロフィール

「住民投票」から除外された市民

大阪市のホームページによると、19年12月末現在で、同市に住む外国籍住民は143ヵ国、14万5857人。市の総人口の約5.3%に当たり、人口、比率とも20政令指定都市の中で最多だ。

「14万5857人」という規模は、東京都武蔵野市(14万6871人)や静岡県藤枝市(14万4662人)の総人口に匹敵し、大阪府下では箕面市(13万8377人)や守口市(14万3884人)のそれを上回る(各市の人口は、総務省の19年12月末時点の住民基本台帳人口に基づく)。

このうち、後述する、過去に「住民投票条例」で投票権を認められた「永住外国人」(在日コリアンら「特別永住者」と、10年以上の居住歴があり、法務省が永住許可を認めた「永住者」)は約8万人で、その中で18歳以上の有権者の割合を全国平均(83%)で推計すると約6万6000人。大阪市区でいえば、此花区(6万6297人)、大正区(6万4937人)の総人口に相当する数の外国籍住民が、自らの暮らしを大きく左右する「住民投票」から除外されたわけである。

 

1990年代に一時、盛り上がりを見せた「外国人参政権」をめぐる議論は2000年代に入って失速した。

が、その一方で、02年に滋賀県米原町(現米原市)が、周辺自治体との合併を問う住民投票条例で初めて、永住資格を持つ外国籍住民の投票権を認めて以降、永住外国人の投票権を認めた住民投票条例を制定した自治体は、東京都三鷹市や静岡市、広島市など全国的に増加。大阪府下でも、岸和田市や豊中市、大東市が住民投票条例で永住外国人の投票権を認めている。

学者、弁護士、ジャーナリストらでつくる大阪の市民グルーブ[国民投票/住民投票]情報室の調査によると、永住資格を持つ外国籍住民の投票権を認めた住民投票は、前述の滋賀県米原町のケース以降、少なくとも全国で206件にのぼるという。

にもかかわらず、「大阪都構想」をめぐる住民投票ではなぜ、外国籍を持つ大阪市民の投票権が認められなかったのか。それはこの住民投票が、先に述べた条例によるものではなく、2012年に成立した「大都市地域特別区設置法」(大都市法)に基づくものだったからだ。

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