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大阪維新による「排除と分断の自治」を市民はいつまで支持し続けるのか

「外国籍住民」の投票権を考える

「維新政治」がもたらした「分断」

“勝つまでジャンケン”が通用しないとみるや、今度はゲームのルールを変えるようだ−−。

「大阪都構想の是非を問う住民投票」(これはあくまで地域政党「大阪維新の会」=以下、維新=が唱えてきた呼称で、正式には「大阪市廃止・特別区設置住民投票」という)の結果、反対多数で否決されてから僅か4日後の11月5日、松井一郎・大阪市長(維新代表)は「大阪府市の広域行政の一元化を条例制定で目指す」などと言い出した。

「大阪市は残すけれども、府と市は二度と対立するな、二重行政をつくるなというのが(住民投票で示された)民意だ」(6日付「朝日新聞」大阪版)というのである。

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一方の吉村洋文・大阪府知事(維新代表代行)も翌6日、「都構想は1ポイント差(の得票率)で否決された。約半数の賛成派の声を尊重することも大事だ」(7日付「毎日新聞」大阪版)などと発言。「都構想」の制度案で、市から府に移管するとした「成長戦略」やインフラ整備などを中心に、広域事務を府に一元化する考えを示したという。

市民から二度にわたって「NO」を突きつけられ、もはや住民投票では大阪市を無くせないとなれば、今度は府議会、市議会での数を頼んで、「大阪府市を一元化」する条例を制定し、政令指定都市である大阪市が持つ権限と財源を実質的に収奪しようという腹である。

これでは、何のために20億円近い税金を使って、二度も住民投票をやったのか。彼らほど自らに都合よく「民意」を解釈する人たちを、寡聞ながら知らない。

維新が、政策の「一丁目一番地」として掲げてきた「大阪都構想」をめぐる制度上の問題点や欠陥、また彼らがお題目のように唱えてきた「二重行政の弊害」など、数々の“まやかし”については、当サイトでもこれまで、ノンフィクションライターの松本創氏ら複数の筆者が度々、指摘してきたのでそちらに譲る。

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/76760
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/76821

が、前回(2015年)、今回(20年)と二度にわたる住民投票で、前回が反対70万5585票、賛成69万4844票(1万741票差で否決)、今回が反対69万2996票、賛成67万5829票(1万7167票差で否決)と、大阪市民の賛否は真っ二つに割れた。

この住民投票の結果に象徴される、2010年の結党から10年に及ぶ「維新政治」が大阪にもたらした「分断」の影響は計り知れず、二度目の住民投票後は何よりもまず、その修復が求められているはずである。

にもかかわらず、前述の通り、松井市長や吉村知事には、そんな気はさらさら無いようだが、その住民投票にすら参加できなかった大阪市民がいる。大阪市に在住する約15万人もの外国籍住民である。