乳がんは、がんのなかでも日本女性の罹患率(かかる割合)がトップで、生涯のうちに乳がんになる女性の割合は現在10.6%、9人に1人 と言われ、年間6万人以上が乳がんと診断されている(国立がん研究センターがん情報サービス「最新がん統計」より)。

また、乳がんで死亡する女性の割合も年々増加の傾向にあり、年間約1万5000人近くが亡くなっていて、罹患率、死亡者数ともに増加しているという厚生労働省「令和元年(2019)人口動態統計月報年計(概数)の概況」より)。

2017年にはタレントの小林麻央さんが、2018年には漫画家のさくらももこさんが乳がんで亡くなり、がんの恐ろしさと早期発見の重要性は周知されつつある一方で、「乳がんサバイバーのその後」については意外と知られていない。

乳がんは「5年相対生存率」は92.3%、「10年相対生存率」は79.3%と、他のがんに比べ生存率が高いという結果が出ている。早期発見での生存率が高く、そのため定期的な検査が大切なのだ国立がん研究センターがん情報サービス「最新がん統計」より)。

松さや香さんは、29歳でステージ2bの悪性腫瘍が発見された乳がんサバイバーだ。術後14年経ったいま彼女が思うことを、当時を振り返りつつ綴っていただいた。

29歳で乳がん告知を受けた

FRaUwebの編集部から「なにか書いてみませんか?」とメールをいただいた。「なにか」と言ってはくださっているけれど、かつて自身の若年性乳がんの治療にあたり、治療費のために仕事を休まず、抗がん剤に振り回されているその間に盛大に二股をかけられ、破局に至ったアラサー女の色欲譚を2冊も書いたわたしへの執筆依頼とくれば、やはりそこは「乳がん」なのでは?

先日、他社の編集さんから「“松さや香”で検索すると、“松さや香 現在”とか“松さや香 妊娠”と検索ワードが続いてますよ」と聞かされた。それはきっとわたし個人への興味というよりも、「乳がん患者のその後」についての関心と推察。

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術後10年以上経ちながらも、しつこくそれらを赤裸々に書くようなメンタル・ストリッパーは松さや香くらいだろうとアタリをつけられたに違いない。さすがは目利きのFRaUである。当方いよいよ四十路も道半ば、需要と空気は読んでいきたい。

さて、今から14年前の29歳の時、わたしは乳がんの告知を受けた。そのことを告げた医師は笑っていて、わたしもつられて笑ってしまった。そんなトンデモがん告知や、笑った医師との攻防の詳細などは拙著(『彼女失格』幻冬舎刊)に任せるとして、わたしの乳がんはざっくりこうだ。

左乳房に悪性腫瘍が2つ。それらは隣り合わせに並んでおり、直径は6センチに及んだ。ステージ2b。腫瘍は1センチ以内が「早期発見」といわれるステージ1または0とする指標に対して、わたしの腫瘍は6センチ。瞬時に悟った「これは、詰んだ」と。その大きさに誰にともなく憤慨しかけたが、予想外すぎて笑えもした。なんなの。