# 日本経済

最低賃金の「引き上げ」で、じつは日本が“米国並み”の「超・格差社会」になる!

菅政権が語っていないこと
中原 圭介 プロフィール

最低賃金「引き上げ」で中小零細企業を淘汰する…

そういった日本の非効率性は、たとえば小売店の業界では、ウォルマートなど超大規模な店舗が主流であるアメリカと比べて、日本がコンビニエンスストアを中心に個人経営・家族経営の小売店が多いということでも理解ができます。人口減少に伴う需要減とネット通販の急拡大が重なり、日本ではすでに小売業の店舗数が過剰な状態にあるわけです。

デジタル技術の積極的な活用によって、日本のサービス業の構造改革は何としても進めなければなりません。ただし問題なのは、その手段にあります。菅政権は最低賃金の大幅な引き上げを通じて中小・零細企業を次々と淘汰していく考えを持っているからです。実際に菅首相は最低賃金の引き上げについて、ことあるごとに「5%程度を目指す必要がある」と述べています。

 

最低賃金を大幅に引き上げれば、怠けている中小零細企業の経営者は人件費コストが上がった分、業務の効率化を進め、生産性を高めざるをえない。最低賃金が低いから経営が成り立っているような中小零細企業は淘汰されるべきだ。中小零細企業の淘汰が進めば、日本の生産性は上がるはずだ。菅政権の中小企業再編論は、そういった論理で成り立っています。

これは少し考えればわかることですが、この考え方では「中小零細企業の経営者がやる気を出せば生産性を高められる」と言っているのと何ら変わりがありません。

「インフレになると信じればインフレになる」というインフレ期待と同じで、精神論の類に近いといわざるをえないのです。論理的に破綻しています。