# 日本経済

最低賃金の「引き上げ」で、じつは日本が“米国並み”の「超・格差社会」になる!

菅政権が語っていないこと

アベノミクスを継承した菅義偉政権下では、より一層「中小企業悪玉論」が加速しているように見えます。「生産性の向上」という掛け声は立派に見えますが、副作用に対する配慮や戦略が見えてきません。

安易に政策を実施すれば、淘汰される中小企業や失業してゆく労働者がいたずらに増え、必ず社会不安をもたらします。このままでは改革政権を標榜する菅政権は、小泉政権同様に新自由主義に支配されているという世論が台頭することになるでしょう。

スガノミクスには「危険性」が指摘される photo/gettyimages
 

菅政権下で勢いを増す「中小企業悪玉論」

日本生産性本部の「労働生産性の国際比較」によれば、2018年の日本の1時間当たりの労働生産性は46.8ドル(購買力平価換算)です。その水準はアメリカ(74.7ドル)の6割強の水準に過ぎず、1970年以降、先進7カ国のなかで最下位の状況が続いています。

先進国にしても新興国にしても、大規模の企業が中規模の企業より、中規模の企業が小規模の企業より生産性が高いのは当然のことです。日本の生産性が低いのは、企業全体に占める小規模企業の割合が最も高い状況にあるからです。日本の小規模企業は企業全体の90%近くを占めていて、雇用全体の25%も担っているのです。

日本とアメリカの生産性における格差は、とりわけ小売店・飲食店などサービス業の分野で生まれています。従業員が10人未満の事業所数のシェアは日本が80%、アメリカが50%と大きな差があることからも、日本のサービス業がアメリカの同業と同じ稼ぎを得るためには、2倍を超える従業員を雇っている計算になります。