オードリー・タン氏 ©️山中肇 撮影 c8x-photography

台湾の天才大臣が「学びに必要なのは競争ではない」と語るワケ

オードリー・タン 自由への手紙(5)
オードリー・タン。
新型コロナウィルスが蔓延する台湾で、マスク在庫がリアルタイムで確認できるアプリ「マスクマップ」を開発し、その対応が絶賛されたことで名前を知った人も多いことだろう。
彼女(氏によれば「性別なし」なのだが、​ここでは便宜的にそう呼ばせていただく)は2016年、35歳という若さで蔡英文政権に入閣、デジタル担当政務委員(大臣)に就任。
そんな彼女が語った、このデジタル時代に「自由になる」ということ、貴重なインタビューを『オードリー・タン 自由への手紙』よりお届け。第5回は「競争から自由になる」。>今までの連載はこちら!

競争から自由になる

日本ではバイリンガル教育に苦戦しており、なかなか言語の多様性が実現しないという話を聞きましたが、台湾では教育における多様性にも、取り組んでいます。

「2030年バイリンガルカントリープロジェクト」を掲げており、それと関連して、さまざまな国から台湾にやってきた子どもたちは、自分たちの母国語やカリキュラムを選ぶことができます。これも国家予算を組んで行っていることです。

 

若い世代に必要なスキルセットとは?

台湾では、意図的により多くの国際的な人々を台湾人として迎える制度をとっています。具体的には優遇措置を盛りこんだ就業許可証を発給し、暮らしやすくすること。彼らは台湾人になるか、もしくは二重国籍を保持しています。人口構成が多様化すればするほど、よりお互いに交流をもち始めるもので、その逆ということはありません。

※画像はイメージです。Photo by iStock

「人口構成を多様化させるだけでいいなんて、あまりにも安易じゃないか?」と思われるかもしれませんが、最初の段階から異なる文化が育ち始めることがわかります。そして、それがより色濃く現れるのが子どもたち――教育の現場です。

教育の話をしているとき、すでに学校を離れている若い世代に対して、アドバイスを求められました。

「これからの世代は、どんなスキルセットが必要でしょうか?」
「学ぶべきことは何でしょう?」
「将来と、どのように向き合うべきでしょう?」

私からのアドバイスは、「人生を通して学びなさい。学び続けなさい」ということ。

そして、ともに学び、ともに創造し、ともに発想する仲間をもつこと。

仲間をもつことは、どんなスキルセットよりもはるかに大切なものです。

これは若い世代ばかりでなく、年を重ねた人々にとっても大切なことだと思います。