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# 保育園 # 子育て

人生設計をも狂わせかねない?認可保育園の弱点「不自由さ」に目を向けよ

「保活」地獄に飲み込まれないために

筆者は今年8月に、世の中に強く根を張った「認可保育園至上主義」の盲点を明らかにし、認可外保育園の立ち位置を見直すことを提言するため、「『認可保育園至上主義』が日本の子育てに蔓延している不可解」、「認可保育園至上主義が『仕事と子育ての両立』や『女性活躍』を阻む現実」「『認可外保育園退場論』がこのまま進めば、不自由・不平等が加速する」を連続寄稿した。

認可保育園は、低コストで保育の質は高いが、登園先を自由に選べない「ガンジガラメ」の制度であり、その点が最大のデメリットであるというのが筆者の持論だが、世の中の保育園はみな認可保育園であれと言わんばかりの認可保育園至上主義は、日々の子育て生活だけでなく、各家庭の中長期的なライフプランの自由度をも大きく縛りかねない問題があるということを、本稿では提起させていただきたい。

認可保育園の場合だと…

子育て中の世帯では、子どもの成長に伴って間取りの広い物件への住み替えを考え始めることが少なくない。間取りが広い物件を探すとなれば、予算的な事情から現住居より多少郊外で探すことになり、住み慣れた地域から他の市区町村へ引っ越すというのもよくある話である。

その場合、子どもの転校を避ける目的で、住み替えのタイミングを「子どもが小学校に入る前に」と考える世帯も多い。

ところが、小学校入学を見越して市区町村の変更を伴う引越をしようとするときに、共働き、あるいはひとり親の家庭が直面する問題をご存知だろうか。ズバリ、転居先での保育園をどうするかということである。

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現在、こうした家庭の大部分の子どもが通っているであろう認可保育園は、居住する市区町村が変わると退園し、新住所地で入り直さなければならない。要するに保活のやり直しを強いられるわけだ。

そう言うと、子どもの保育園卒園(=小学校入学)に合わせた3月末に転居すればいいじゃないかと考える人もいるかもしれない。実際、そういった需要を狙ってか、「この物件なら来年3月までに入居可能」といったセールストークは新築分譲物件の広告ではよくみられる。

しかし一人っ子世帯ならよいかもしれないが、保育園に通う年齢のきょうだいがいれば引越に伴う保活の問題は全く解決しないし、そもそも住まい探しというものは、そうタイミングよく年度末に動けるとは限らないものだ。