いつもレトルトご飯を買う理由

「母子寮では、全国の支援者から届いたお米があり、各自で炊き、料理をして食事をするのですが、彼女はいつもレトルトご飯を買ってくる。炊いた方が安いし美味しいと伝えると、炊き方を知らないと言うんです」

こういう状態のご飯を知らない女性が… Photo by iStock

そう語るのは、前団体も含めると15年以上の特別養子縁組の活動実績があるNPO法人『Babyぽけっと』代表の岡田卓子さん。

予期せぬ妊娠・望まぬ妊娠などで産んだ新生児を、不妊治療の末に実子を諦めた夫婦が引き取り、「戸籍上も実子」として育てる特別養子縁組制度。河瀬直美監督の作品で、現在公開中の映画『朝が来る』は、その特別養子縁組制度に関わる人々の人間模様を掘り下げていると話題だ。

この映画の制作に協力しているのが、前団体も含めると15年以上の活動実績があるNPO法人『Babyぽけっと』なのだ。岡田さんは「現在までに480人以上の子供と養親をつないできました」と語る。(以下「」内岡田代表)

コロナ禍でも、活動を続けるNPO法人『Babyぽけっと』代表の岡田卓子さん。写真/FRaU編集部

岡田さんが冒頭で語った女性は、“料理をする”という概念がそもそもなかった。小学校の家庭科で習う、簡単な卵料理、野菜炒め、みそ汁の作り方さえも知らなかった。おそらく、親が料理しないから、学校で学んだとしても、身につかなかったのだろう。