17時きっちりに仕事を終えて帰宅するなど、ワークライフバランスが良いことで知られるデンマーク。実際、夕方になるとオフィスには人影がなくなりガランとする。男性の家事育児参加率も高く、公園でベビーカーを押して散歩する男性の姿もめずらしくない光景だ。

そんなデンマークで暮らす男性は、日々の家事育児とどのように向き合っているのだろうか。デンマーク人女性と結婚し、2人の子どもを持つデンマーク在住の日本人男性・蒔田智則(まきた とものり)さんに、妻との家事育児の分担や育児休暇の価値観について聞いた。

デンマークと日本の育児休暇制度。実はさほど変わらない

まずは、デンマークと日本の産休・育児休暇制度を比較してみたい。

日本では母親は出産前の6週間 (双子以上の場合は14週間)と出産後の8週間の産休の取得、そして両親ともに、子どもが1歳になるまでの間で希望する期間の育休が取得できる。さらに、1歳6ヵ月まで育休の延長も認められている。

育児休業給付金は、最初の6ヵ月までが休業開始時賃金日額の67%×支給日数、6ヵ月経過後は休業開始時賃金日額の50%×支給日数で計算されるのが一般的。また、受給期間中は社会保険料の支払いが免除される。企業によっては、この給付金に自社で上乗せして補填する場合もあるそうだ。

手当金の金額は年収等に応じて変化するものの、1週間あたりの最大金額はDKK4355(約73,000円、2019年度)となっている Photo by iStock

一方デンマークでは、両親に対して2人でトータル52週間の産休・育休の取得が権利として認められている。その割り振りは以下のとおり。

母親:出産前の4週間、出産後の14週間
父親:出産後の2週間(生後14週間以内に取得)
両親:産休以後の32週間(この休暇は2人がバラバラでも同時に取得しても構わない)

産休については母親と父親で期間が定められているものの、その後の32週間の育休については、それぞれのカップルの事情を考慮して自由に取得期間を定めることができる。さらに32週間の延長も可能だ。

産休・育休期間中の手当金については、各職場の雇用契約によって変わり、期間中の一部に雇用主から給与の全額が支払われる場合もあれば、専門機関が支払う場合もあるとのこと。

制度だけを比べると日本が特段劣っているようには見えず、日本では制度を十分に活用できていないのが問題点なのだと理解できる。