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“外交センスが悪い”バイデン氏に菅首相が言うべき「たった一つのこと」

日本の立場を認めてもらうには

バイデン氏が米国大統領に就任する。史上最高齢の78歳である。47歳で大統領に就任した12年前のオバマ氏とは、全く異なるスタイルをとっていくことになるだろう。

トランプ氏との違いを強調するため、パリ協定への復帰や、NATO構成欧州諸国との関係改善などは、確実視される。しかし、今のところバイデン氏が際立って新奇な外交政策を導入するような見通しはない。

そこで日本はバイデン氏にどういうアプローチをとるべきか? 菅首相がバイデン氏と(オンラインで?)最初の会話をする際に、日米同盟は重要、というお題目の次に、まず何を言うべきだろうか?

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バイデン氏「外交センスの悪評」

バイデン氏は、2002年のイラク戦争開戦前に、上院外交委員会で、イラク戦争に賛成する議決を主導した。単なる一票ではない。

バイデン氏は、当時、上院外交委員会の委員長という要職にあった。バイデン氏は、当時の国内の世論に迎合して、あえて共和党の戦争に積極的に協力するように民主党内の意見を主導した張本人なのである。

バイデン氏は、1991年の湾岸戦争の際には、父ブッシュに対して反対票を投じていた。その後の世論の動きを見て、イラク戦争の際には逆の動きをしてみた、という経緯である。さらにイラク戦争後に米兵の犠牲が相次ぐ事態になって、態度を変えた。そして中東からの米軍の撤退を目指したオバマ氏の副大統領職を務めあげた。

オバマ政権で国防長官だったロバート・ゲイツ氏は、バイデン氏について「過去40年、ほぼ全ての主要な外交、国家安全保障問題で間違っていた」と回顧録で切り捨てている。

今年の大統領選挙における候補者集会等で、「何千人ものわれわれの兄弟や無数のイラクの民間人を殺した戦争を可能にした人に、なぜ投票する必要があるのか」と退役軍人に詰め寄られたり、イラク戦争前の上院外交委員長としての自らの行動を「大きな間違いだった」と反省して悔やんだりする場面もあったという。