社会課題を率先して取り組む地方自治体と最先端の事例

第二部「日本の先進事例を知る」では、まちをあげてSDGsに取り組み、成果を生み出している最先端の自治体として、神奈川県横浜市、富山県富山市、福岡県北九州市、徳島県上勝町の先進事例を紹介。SDGs未来都市として、これから市民のみなさんとSDGsに取り組んでいきたいという富士市にとって、実践のヒントを共有する貴重な時間となりました。

まずは神奈川県横浜市の事例から。登壇したのは、横浜市 温暖化対策統括本部 企画調整部 SDGs未来都市推進課長 高橋知宏氏と、凸版印刷 ヨコハマSDGs デザインセンター鳥越由紀夫氏。

375万人を超える日本最大級の人口を支える横浜市は、SDGs未来都市・横浜の実現を目指し、環境、経済、社会的課題の統合的解決を図る中間支援組織「ヨコハマSDGsデザインセンター」を設立。その後3年間で約20のSDGsに絡めたプロジェクトを立ち上げました。最近では、市民のみなさんが行動にうつせる取組を支援しようと、SDGs投資に活用してもらえるような金融フレームワークの認証制度をスタート。「富士市においても『ヨコハマSDGsデザインセンター』のような中間組織は絶対に必要。私たち行政が、市民のみなさん、事業者に寄り添って取り組んでいても、どうしても視点が一方的になってしまう。『ヨコハマSDGsデザインセンター』は、民間の方もいるので、行政、民間、両方の視点を持つことができる」と語りました。

横浜市 高橋さん共有画面より
凸版印刷 鳥越さん共有画面より

次は「持続可能な付加価値創造都市」を目指す富山県富山市の事例を、富山市 環境政策課 東福光晴さんが紹介。

人口減少のスピードをゆるやかにするには、まちの魅力を高め、住みたいと思ってもらうこと。そこへ積極的に投資をして雇用を生み出し、選ばれるまちづくりを実現するために富山市が考えたのが、公共交通を軸とした拠点集中型のコンパクトシティ。全国に先駆けて進めてきたLRT(次世代型路面電車システム)ネットワークを導入し、高齢者や車を持たない人が歩いて暮らせるまちの実現を目指しています。「公共交通を使うことで人が集まり、みんなの意欲が高まってくる。さらに歩くことで健康効果を高めていく新しいポジティブなインパクトを起こしていきたい」と述べました。

富山市 東福さん共有画面より

次は福岡県北九州市から、北九州市企画調整局SDGs推進室次長 上田ゆかりさんが登壇。

「北九州市の強みは『市民力』『公害克服の経験』『ものづくり技術』。本市は、『オール北九州』でSDGsを推進するため、さまざまなステークホルダーをつなぐプラットフォームとして『北九州SDGsクラブ』を創設。クラブの会員同士が連携し地域課題を解決するプロジェクトが多数立ち上がっており、市民が主体的にSDGs推進に取組む仕組みづくりは、他の自治体でも参考になる。また、市内18金融機関と連携し、企業のSDGs経営をワンストップで支援する体制を整備。富士市においても、富士市にしかない強みや魅力をコアにしながら、行政だけでなく産官学民が一体となってSDGsの推進に取り組むような体制づくりをされることが望ましい」と富士市へエールを送りました。

北九州市  上田さん共有画面より

最後は人口約1500人(2020年10月時点)と、四国でいちばん小さなまち、徳島県上勝町。

2003年には、2020年までにごみをゼロにする「ゼロ・ウェイスト宣言」を日本ではじめて行い、2018年にはリサイクル率80.7%を達成したサーキュラーエコノミーの先進地でもあります。人口25万人の富士市でも、上勝町のようなサーキュラーエコノミータウンを目指せると上勝町役場 企画環境課 久保昌弘さんは言います。「上勝町の場合、小さいからこそできると思われがちですが、私たちは、逆に小さいまちでもできるという感覚です。ゴール達成への道は、人と人のふれあいが結果として生まれるものだと思うので、まちそのものの規模は関係ない」と語りました。

上勝町 久保さん共有画面より

金融、働き方、メディアetc.さまざまなジャンルで活躍するSDGsのスペシャリストによるパネルディスカッション。そして日本のSDGsを牽引する地方自治体の事例紹介は、富士市としてはもちろん、これからを生きる人々にとって大きな学びとなりました。

シンポジウム終了後は、参加者全員で富士山のポーズで記念撮影!

SDGsシンポジウム 富士市から「世界を変える、はじめかた」の動画を公開中!

下記よりアクセスください。

https://www.city.fuji.shizuoka.jp/shisei/c0607/sdgshajimekata.html

取材・文/大森奈奈