Zoomで行われたSDGsシンポジウムの様子をレポート!

富士市は、SDGs未来都市として市民25万人の力を結集し、SDGsの達成に向けたシンポジウム、富士市から「世界を変える、はじめかた」を実施。世界の課題と取組を議論するパネルディスカッション、日本の先進的な取組を紹介するプレゼンテーションから、次のアクションへとつなげるためのヒントを探ります。

左上から時計まわりに:ソーシャルグッド・プロデューサー 石川淳哉氏、株式会社クレアン 代表取締役 薗田綾子氏、三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社 経営企画部副部⻑ 吉高まり氏、講談社 FRaU 編集⻑ 関龍彦、ユニリーバ・ジャパン・ホールディングス株式会社 取締役 人事総務本部長 島田由香氏。

シンポジウムの進行役を務めるのは、ソーシャルグッド・プロデューサー 石川淳哉さん。第一部パネルディスカッション「世界の課題と取組を知る」では、パネリストとして株式会社クレアン 代表取締役 薗田綾子氏、三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社 経営企画部副部⻑ 吉高まり氏、ユニリーバ・ジャパン・ホールディングス株式会社 取締役 人事総務本部長 島田由香氏、講談社 FRaU 編集⻑ 関龍彦が登壇しました。

10月末に行われた臨時国会の所信表明演説で、2050年までに、国内の温暖化ガスの排出量を「実質ゼロ」にする方針をかためた菅義偉首相。今、日本はこれまで以上にSDGsの達成に向け、さらなる前進を遂げようとしています。以前よりSDGs活動に深く関わりを持つ3名のパネリストに、それぞれの専門分野からみる課題と解決策から、富士市が社会実装していくためにはどうすれば良いかを考えました。

株式会社クレアン 代表取締役 薗田綾子氏

「CSRコンサルティング事業として、いろいろな企業のSDGsのお手伝いをしてきて思うのは、今どの企業もゴールに向けてやる気になっていて、機運の高まりを感じます。これから必要となる要素のひとつとして、レジリエンス力(しなやかな復元力)は欠かせないと思います。地震や津波、気候変動による水害など、どの災害にも「強い」ことは自治体としてアピールできることではないでしょうか。そして、サーキュラーエコノミー(再生可能エネルギーをベースにした新しい循環型社会)への対策も重要なキーワードに。大量生産・大量消費型社会の仕組みでは、社会も地球も持続不可能です。単にモノの循環だけでなく、生態系もきちんと考えて再生できる速度で取り組む必要があります。また、みんなでシェアしていくという価値観で、新たなサーキュラーエコノミーの世界を広げるモデルのようなまちに富士市がなれたら良いですね」

三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社 経営企画部副部⻑ 吉高まり氏


「菅首相が表明した2005年までに『カーボンニュートラル』を実現するには、社会も経済も丸ごとひっくりかえるくらいに変わっていかなければいけない。そのために企業はどうビジネスしていくべきか? 企業は気候変動に強靭であらなければならない。ゼロエミッションや気候変動で起こりうる防災に強い自治体であることにより、ESGの経営感度の高い企業から『気候変動に強靭な地域』として評価されます。選ばれるには、そこにブレないSDGs達成への理念と実績があるかどうかです。『気候変動に強靭な地域』とは、何が起きても生きていける豊富な食料、良質な水源へのアクセス、地産地消のエネルギーなどのアビリティがあることが重要。森林による吸収源でのCO2オフセットはゼロエミッションに寄与します。これらの資源を潤沢に持つ自治体が、日本を『気候変動に強靭な国』へと導くリーダーシップをとれるのではないかと思います」

ユニリーバ・ジャパン・ホールディングス株式会社 取締役 人事総務本部長 島田由香氏

「富士山は私たちにとって特別な存在ですし、海外から見ても魅力的な山です。そんな富士山があり、海もあって……さらに、東京から新幹線一本で行けるという立地は、ワーケーションの場として、大きな切り札になると思います。また、利益を得ることだけがビジネスではありません。サーキュラーエコノミーは、モノだけでなく人にも同じことが言えます。弊社は、利益だけでなく『人の幸せ』を考えながらビジネスを行っています。そして良いと思ったことは、他の企業にも手法をオープンにしてきました。実績だけでなく、できなかったこともオープンにしていくことも循環のうち。日本人はコミュニティを作るのが上手いので、その中で“良い動き”が出てくると一気に加速するのでは」

講談社 FRaU 編集⻑ 関龍彦


「来月22日にFRaU SDGs号3冊目にあたる新刊が発売されます。メインテーマは『サーキュラーエコノミー』。環境、社会、経済もすべて循環型に舵を切るには? ライフスタイルの中で取り入れるにはどうすれば? そんな疑問の答えにつながるヒントがつまった一冊です。富士市にアドバイスをさせていただくなら、私はメディアの人間なので『伝えること』に関してでしょうか。富士市のアクションは、25万人の市民にも外部にも伝え続けなけばなりません。日本人はどうしても謙遜しがちなところがあるのですが、取り組んでいる活動はそれがどう評価されようと、どんどん伝えた方が良いと思います」