コレクティブインパクトで世界を変える主な取組

小長井市長は、市民・事業者と力を合わせ、コレクティブインパクトを起こしている3つの事例を紹介しました。

1) 災害派遣用トイレトレーラーの全国初導入

富士市が導入したトイレトレーラー。災害時には被災地へ派遣し、平時にはさまざまなイベント会場にて、災害時のトイレ対策に関する啓発に活用している 提供:富士市

「災害時のトイレ対策は、全国共通の課題であり、きれいで安心して使えるトイレを避難所に設置することは、人間の尊厳を守り、災害関連死の予防につながります。そこで、富士市は自治体として初めて災害派遣用トイレトレーラーを導入。2018年7月に『一般社団法人助けあいジャパン』とともに、災害派遣トイレネットワークプロジェクト『みんな元気になるトイレ』をスタートしました。トイレトレーラーを各自治体が所有し、災害が発生した時には被災地へ派遣するというもので、お互いに助け合う仕組みに共感しました。

トイレトレーラーの導入に際して、ふるさと納税を活用したクラウドファンディングを実施し、全国から約 1250万円もの寄附をいただきました。また、紙のまちでもある富士市ならではの取組として、市内の企業に協力いただき、トイレトレーラー派遣時にトイレットペーパーなどの本市の紙製品を被災地に届け、支援しています。さらに、市内の4つの女性団体が、女性視点で防災・減災を考えることを目的とした『女性防災サポートの会・ふじ』を発足。このような、協働のネットワークが生まれることはとても喜ばしく、コレクティブインパクトの実現であると考えています」(小長井市長、以下同)

2)植物由来の新素材CNF(セルロースナノファイバー)の活用

CNFを使用することで「ふわっと、しっとり」の食感を実現した最先端のどらやき 提供:富士市

「CNFは、植物の主成分のセルロースをナノサイズまで細かくしたもので、生産、廃棄における環境負荷が小さく、リサイクルが可能な新素材。軽量・高強度、透明性などの特性があり、自動車や家電の部材、食料品や化粧品への添加など、さまざまな用途での活用が見込まれています。本市の基幹産業であるパルプ・紙産業には、セルロースを扱う技術とノウハウが蓄積されています。こうしたことを背景とし、『富士市CNFプラットフォーム』を設立。事業者を中心として、大学や産業支援機関、他地域のCNF推進組織などの連携によりオープンイノベーションを加速化し、関連産業の創出・集積を進めています」

3)環境共生社会の実現に向けた取組

「パリ協定に基づく国の温暖化対策計画で示される『公共施設における温室効果ガス40%削減』を目指す具体的アクションとして、企業グループと包括協定を締結しました。また、本年10月に稼働した新しいごみ焼却施設は、富士山麓の豊かな自然と調和し、共生するため、環境負荷を低減できるよう工夫を凝らしているほか、多様な環境学習ができるなど、本市の循環型社会形成に向けた拠点となっています」

これまで、本市が取り組んできたコレクティブインパクトを紹介しましたが、富士山、駿河湾、まちの中には、持続可能なまちを実現するための課題やテーマが、数えきれないほどあります。これらは、行政だけで解決できるものではありません。25万人の市民の皆様と共に向き合い、本市の輝く未来を切り拓いていきたいと考えています。
富士山のふもと富士市は 市民25万人の力を結集し、コレクティブインパクトで SDGsの達成に取り組みます。